『「超」怖い話 H(イータ)』

平山夢明

(2006.02.04/竹書房)

 

 

このでもっとも古き情、

そのひつは間違いなく「恐怖」であろう。

 

太古より人は己が命の脅かすもの――荒ぶる獣や自然、さまざまな

脅威に怯え慄いてきた。

そして何よりも恐れたのは闇――その中に潜む得体の知れぬ”何か”だった。

その後の長い歴史の中で人は少しずつ「恐怖」の根源を暴き、

克服していく。だが、科学と知恵の光をもってしてもなお消し去ることのできない

「恐怖」が、闇の”何か”であった。説明のつかぬもの、触れることも敵わぬもの、

だがそれらは確実に存在し、我々に近づいてくる。

ぞっとするような気配と、時に悪意を帯びて・・・・・・。

 

読了日:11月15日~16日