『神様のボート』

江國香織

(1999.07.15/新潮社)




あなたとかわす約束は

それが口に出された瞬間に

もう かなえられている。


昔、ママは、骨ごと溶けるような恋をし、

その結果あたしが生まれた。


“私の宝物は三つ。

ピアノ。あのひと。そしてあなたよ草子"。


必ず戻るといって消えたパパを待って

ママとあたしは引越しを繰り返す。


“私はあのひとのいない場所にはなじむわけにいかないの

"“神様のボートにのってしまったから"


――恋愛の静かな狂気に囚われた母葉子と、

その傍らで成長していく娘草子の遥かな旅の物語。


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(09/14~15)