『炎上する君』

西 加奈子

(2010.04.30/角川書店)


Clover-西 加奈子 「炎上する君」

    

恋に戦う君を、

誰が笑うことができようか?


何かにとらわれ動けなくなってしまった私たちに訪れる、

小さいけれど大きな変化。

奔放な想像力がつむぎだす不穏で愛らしい物語たち。


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(11月23日)


前作、『きりこについて』が面白かったので

借りてきましたハート


全8作品からなる短編集です。


このなかで好きなのは・・・

「トロフィーワイフ」

「舟の街」です。


「トロフィーワイフ」の世界観がとにかく好き好


少女の瑞々しさと初老の女性の人生の綺麗でいることへの執着というか

それだけを求められて生きてきた部分に少しだけ物足りなさを感じているところとかに

憧れる部分もあり、心を奪われていく感じがたまらなく好きです。


「舟の街」

彼氏に親友との交際を打ち明けられ捨てられた主人公が

社会や家族とのつながりも一切捨てて、引きこもり

ふと「舟の街」に行こうと決意し、不思議な世界に引き込まれていく話?です。

(すみません、あまり説明うまくないです。。。)


私もときどき消えたくなります。

「舟の街」があるなら行ってみたいとも思いました。

完全に社会とのつながりを捨てて生きていくことに憧れさえ感じました。


でも現実では、ひきこもってなんかいられないし

朝は毎日くるし、他人に甘えて自分にも甘えて生きていくなら

いっそ、死んでしまおうかと・・・ちょっと極端ですが。


8作目の「ある風船の落下」

そんな心に暗を溜めた人たちが風船のように

からだが膨れ上がり、浮いて、空まで飛びあがるという現象の

作品です風船ドンッ


なんかこの作品は、あまりにも

私の想像量を超えていてあまり好きではないのですが

ギョームの言葉には心を打たれました。

素晴らしい方ですキラキラ


タイトルにもなっている「炎上する君」


読む前に何が炎上しているのか、考えました。

”恋に戦う君”ってことは、恋の炎とか。

ツイッターとか。

よく荒れることを”炎上する”というので

なんだろうと思いながら、読み進めていきました。


最初、主人公は、男性だと思ってました。

話口調なども簡潔だし

バンド名も”大東亜戦争”だし

40代前半くらいのオジサンをイメージしてたんだけど

見事に裏切られました笑


街で噂になっている、ある男の話

脚が燃えている男を見かけると、人生に幸運が降りてくる、という話。


銭湯での場面でようやく女性だと気づきました^-^;


んで、その脚が燃えている男に、恋をしたと。。。


うん。最後はなんか。

あんまり好きじゃないかも。


でも、バンド活動に対する二人の真面目さは好きかも笑


いい意味で不安にさせる作品集です。

不思議な世界観が好きです。


個人的に

私は、ごちゃごちゃしているのはあまり好きではないかもです。

ちょっとめんどくさがりなので・・・。


あとに残って考えさせられる儚い感じの作品が好きです。