『きりこについて』

西 加奈子

(2009.04.30/角川書店)


CLOVER


美しいってどういうこと?

生きるってつらいこと?

きりこがみつけた、

世の中でいちばん大切なこと。


 きりこは両親の愛情を浴びて育ったため、

自分がぶすだなどと思ってもみなかった。


小学校の体育館の裏できりこがみつけた

小さな黒猫「ラムセス2世」はたいへん賢くて、

しだいに人の言葉を覚えていった。


 ある事件がきっかけで引きこもるようになったきりこは、

ラムセス2世に励まされ、外に出る決心をする。


夢の中で泣き叫んでいた女の子を助けるために・・・・・・。


猫を愛するすべての人に捧げる、

希望に満ちた物語。


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(08/09)


約一ヵ月ぶりの更新~音符

今日は、図書館をはしごしてきました(笑)


西 加奈子さん、久しぶりに借りてきました。

「こうふく あかの」があまりにも斬新で衝撃的だったので

借りるのを少しためらってました。


冒頭から、”きりこは、ぶすである。”と始まり、

えぇー?!って感じでまるで自分に言われてるようで

ブルーになりつつ、読み進めると、

どうやら両親は美男美女であるが、父の太い眉毛と

母の悪い歯並びをもらい、

親戚中の残念な部分を一手に引き受けて

この世に生まれてきたきりこ。


なんとも可哀想な子なんだけど、

本人はいたってポジティブ音符


だけど、好きな男の子に”ぶす”と言われて

しだいに周りと自分との違いに気づき、

引きこもるように・・・。


そんな娘を見守る両親。

(優しすぎる!!甘やかしすぎだよ!!)


「こうふく あかの」でも同時進行で

未来の出来事が書いてあったんだけど、

この作品も登場人物の将来のことが書かれていて

面白かった。


可愛かったちせちゃん。

バレエのおかげで将来はAV女優になるなんて・・・。

早熟でセックスが好きで男にレイプされたのをきっかけに

AV業界からレイプものを撤廃するために

社長にまでのぼりつめたちせちゃん。


すごいわー・・・。

人生何が作用するかわからないね・・・。


でも、結局は外見うんぬんじゃなくて

誰かのためにでもなくて

他人にどう思われるのか、でもなくて

他人にどう見られても

自分が好きな洋服をきて、自分が納得できる生き方ができてれば

それでいいんだということ。


無理に自分を変えようとしなくても

外見も中身も自分なんだって思えることが素敵なんだと思う。


自分がないって悩んで自分を無理やり探すんじゃなくて、

悩んでる自分も変えようと努力してる自分も

全部ひっくるめて自分なんだと思う。


そんな考え方を教えてくれた

きりこさんに感謝。