『江利子と絶対』
本谷有希子
(2003.09.30/講談社)
悪意、ユーモア、溢れる想像力。
やっぱり、おもしろくなければ文学じゃない!
本谷有希子文学大全集。
引き籠もりの少女・江利子と”絶対”と名付けられた
犬のコンビが繰り広げるぬるい日常を、
姉の視線から描く表題作『江利子と絶対』。
頭髪に問題を抱えた中年男・多田と、
その隣人の帰宅を生垣に潜んで待つ女、アキ子。
ふたりの悲惨な愛の姿を過剰なまでのスケールで
描き出した『生垣の女』。
問題児でいじめっ子の波多野君と、
その手下の僕と吉見君。
3人の小学生が迷い込んだ、窓のない屋敷は……。
手に汗握る殺人鬼との攻防を描く、
ホラー傑作『暗狩』の3編を収録。
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(05/19~20)
「江利子と絶対」
江利子は、すごいわ。
前向きに引きこもるって決意して、
結局周りに迷惑をかけるだけの存在になってるのに
気づかない。
犬に”絶対”って名前つけるとこからして
自己中心的な感じで意味不明すぎる言動が多い。
「生垣の女」
花壇の植え込みのすきまに、無理やり座ってた
アキ子もすごいわ。マジひくわ。
そんな女いたら、嫌だ。
多田さんも可哀想な人だな・・・。
頭皮から出血する病気っていうのが、
よく分からなかったのだけど・・・。
おやじ狩りにあって、猫の菊政宗にイタズラされて
アキ子には、電子レンジでまわされて、
壊れてしまった菊政宗。
自分の飼い猫を殺そうとした女と破滅的な恋愛
してる場合じゃないから!!
でも、童貞が捨てられてよかったね
最後の「暗狩」
めちゃくちゃ怖かったよ・・・。
3人とも助かるのかと思いきや結局、
主人公以外の人間が殺されてしまうんだもの。
ちょっと乙一さんの作品ぽかった。