『江利子と絶対』

本谷有希子

(2003.09.30/講談社)


CLOVER


悪意、ユーモア、溢れる想像力。
やっぱり、おもしろくなければ文学じゃない!

本谷有希子文学大全集。


引き籠もりの少女・江利子と”絶対”と名付けられた

犬のコンビが繰り広げるぬるい日常を、

姉の視線から描く表題作『江利子と絶対』。

頭髪に問題を抱えた中年男・多田と、

その隣人の帰宅を生垣に潜んで待つ女、アキ子。

ふたりの悲惨な愛の姿を過剰なまでのスケールで

描き出した『生垣の女』。

問題児でいじめっ子の波多野君と、

その手下の僕と吉見君。

3人の小学生が迷い込んだ、窓のない屋敷は……。


手に汗握る殺人鬼との攻防を描く、

ホラー傑作『暗狩』の3編を収録。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
(05/19~20)


「江利子と絶対」

江利子は、すごいわ。

前向きに引きこもるって決意して、

結局周りに迷惑をかけるだけの存在になってるのに

気づかない。

犬に”絶対”って名前つけるとこからして

自己中心的な感じで意味不明すぎる言動が多い。


「生垣の女」

花壇の植え込みのすきまに、無理やり座ってた

アキ子もすごいわ。マジひくわ。

そんな女いたら、嫌だ。

多田さんも可哀想な人だな・・・。

頭皮から出血する病気っていうのが、

よく分からなかったのだけど・・・。

おやじ狩りにあって、猫の菊政宗にイタズラされて

アキ子には、電子レンジでまわされて、

壊れてしまった菊政宗。

自分の飼い猫を殺そうとした女と破滅的な恋愛

してる場合じゃないから!!

でも、童貞が捨てられてよかったね笑


最後の「暗狩」

めちゃくちゃ怖かったよ・・・。

3人とも助かるのかと思いきや結局、

主人公以外の人間が殺されてしまうんだもの。

ちょっと乙一さんの作品ぽかった。