『ツギハギ姫と波乗り王子』
桜井亜美
(2007.01.25/幻冬舎)
あたしのハッピーエンドには、
誰も知らない続きがある。
「好きになってしまった人はいつかあたしを嫌いになる。
だから嫌い。」
本当の自分でいられるのは、メイド喫茶で
アルバイトをしている時と、アニメやゲームキャラに
自分を重ね合わせてイラストを描いている時だけ。
エッチの相手にも、生身の自分は見せない。
杏は、自分の感情をツギハギだらけにして、
その場しのぎの”仮の自分”を繋ぎ合わせた日々を
送っていた。
だが、ある嵐の夕方、サーフボートを抱えた青年・陸と
出会った時、杏の感情に変化が訪れる。
やがて二人は奇妙な同居生活をはじめるが・・・・・・。
居場所を探している全ての人に捧げるラブストーリー。
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(05/16~17)
この作品の設定なかなかいいよ
桜井亜美さんの作品は、まだ「Miracle」とこの2冊しか
読んでないんだけど、なんかひねくれてて好き
この作品の主人公・杏は普段は地味な事務員の仕事を
しているけれど、休日にはメイドさんで働いてて、
A系と呼ばれるアニメ好きでゲーム好き。
「銀魂」とか「ツバサ」とか「戦国BASARA」が出てきたときは、
テンション上がりまくった
「百鬼夜行抄」とかめちゃくちゃ大好きだし
みんな、杏と同じだと思う。
普段は本当の自分を隠して、その場しのぎの顔してるんだよ。
杏はすごく臆病で他人を心から愛することも心を開くことも
極端に拒むし、感情表現が不器用。
でも、そんな杏が好きになった陸も一緒で
本当の自分を隠して葛藤と寂しさを持て余して苦しんでる。
ブログでは、”ツギハギ姫”と名乗って”ねずみ花火”と
会話してるんだけど、薄々、それが誰なのかも
すぐに分かったんだけど、にわかには信じられるような
人じゃなかったので、びっくりだったよ(@_@)
他人との距離感って分かんないよね。
しかも、恋愛感情も伴ってくると複雑だし、
どこまで相手に見せたらいのか分かんないし、
全部見せられても重いしね。
難しい・・・。