『月蝕姫のキス』
芦辺 拓
(2008.10/理論社)
この出会いが、ぼくを探偵にした・・・・・・。
高校生の暮林少年は、なにごとも理論的に考えぬかないと
気がすまないというやっかいな性格の持ち主だ。
まるで、かの名探偵エラリー・クィーンのように。
ある日、学校の近くで起こった奇妙な殺人事件。
偶然巻き込まれてしまった暮林少年は、
考えに考えるうちに恐ろしい事実に気づく。
クラスメートのあの子が犯人だとすれば、
すべてのつじつまが合うということに。
しかし、静かな町を揺るがす
さらなる事件が起きる・・・・・・。
本格的な謎解きの要素に満ちた
叙情あふれるミステリー!
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(2/13)
う~ん・・・。一言でいうとすごく分かりづらい内容。
探偵小説といえども短絡的な感じが否めない。
理論的にといってはいるが、ほとんど主人公の卑屈さが多い。
主人公・暮林一樹がひそかに恋心を寄せる相手・行宮美羽子。
その彼女が犯人と知ってもなおも彼女が殺人を重ねぬよう
助けようとする。殺人の動機は父親の復讐と話すが、それも嘘。
そして、異国の世界へと誘うような展開。
なぜ彼女が殺人を繰り返すのか、
彼女が暮林の親友・夏川至をどういうふうに
共犯者にしたのかもはっきりせず、
最後はSFっぽい感じに・・・・・・。
完全に置いてけぼり感。