『狂骨の夢』
京極夏彦
(1995.05.09/講談社ノベルス)
「妾は人を殺したことがあるんでございますよ」。
湘南の逗子で伊佐間は不思議な女に出逢う。
夫を何度も殺したと語る女、
朱美は幻想小説界の大御所、宇多川崇の妻だった。
証言は事実なのか?
夫を四度殺した女、朱美。
極度の強迫観念に脅える元精神科医、降旗。
神を信じ得ぬ牧師、白丘。
夢と現実の縺れに悩む三人の前に怪事件が続発する。
海に漂う金色の髑髏、山中での集団自決。
遊民・伊佐間、文士・関口、刑事・木場らも見守るなか、
京極堂は憑物を落とせるのか?
話題沸騰の京極夏彦、読者渇望の第3長編!
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(1/11~1/25)
冒頭から難しかった(>_<)
2つの記憶が交差してて整理するのに何度も読み直しました。
「鉄鼠の檻」・・・だったかなぁ?「陰摩羅鬼の瑕」だったか
忘れてしまったけれど、順番間違えて
先に読んでしまっていたので”伊佐間一成”という人物が
京極堂とどういう関わりの人物なのか、
ずっと疑問に思っていたのですが、やっと理解できました。
”いさま屋”と呼ばれていたんで、魚やさんかと思ってたんだけど、
釣り好きの釣り堀屋(店名がいさま屋)の方だったんですね・・・。
でも、あんまり変わらないか・・・(笑)
そうそう、気になっていた久保竣公のその後も書かれていて
嬉しかったです。
猟奇殺人者でも私は久保竣公が好きです。
「魍魎の匣」の結末は、予想をはるかに越えてなんか切なさで
いっぱいになりました。
久保竣公の生い立ちとか御筥様の憑き物落としのくだりとか。
う~ん・・・、全体的に難しかったです。
フロイトに宗教心理学にめちゃくちゃ難しくてまったく
理解できませんでした。
悔しいっっ(-""-;)
最後まで気付かなかったことは、
佐田朱美と宇田川朱美が同一人物ではなかったことが
衝撃的でしたね。
あと反魂の儀式も内容がすごくて卑猥で
読んでて気分悪くなって読むのが辛かった。
とにかく、すごい内容すぎてまとめられない(´□`。)
最後に、大好きな榎木津さんの言葉で終わりたい(逃げたい)
と思いますo(_ _*)o
「世界中の不幸と苦悩を纏めて背負ったような顔をして、
そんなもの誰だって背負っているぞ!
ちっとも偉くない。
心の暗闇だか何だか知らないが、
心に光度や照度があるか。
明るい暗いで善し悪しが決まるのは電灯くらいだ」
ステキすぎです
さすがは榎木津礼二郎器のでかい男だ
この言葉で私も救われました