【名曲リレー241】woman#3

■Black Country Woman / Led Zeppelin('75)

直訳邦題で絶対にこれはないよな!と言うものは数多いですが、個人的にすごいなあと思ってるのがデイヴィッド・ボウイの"薄笑いソウルの淑女"(Lady Grinning Soul)で、高校の頃このソウルは韓国のソウルだと信じてました(^^) あそこまでの破壊力はないですが、「Physical Graffiti」('75)に入ったゼッペリンの"黒い田舎の女"というのもすごい。この南部ブルーズっぽい"Black Country Woman"もなかなかいい感じです。しかしこの邦題はなあ。ちなみにBlack Countryとは、ペイジとプラントが育ったバーミンガムの工業地帯の俗称とか。かなりアーシーなブルーズですがボーナムのdsが異色ではあります。

 

 

【名曲リレー242】country#2

■Country Line Special / Cyril Davies R&B All Stars('63)

シリル・デイヴィーズ・R&B・オールスターズは、英R&Bの父シリル・デイヴィーズのバンドです。デイヴィーズはイギリスではじめてブルーズ・ハーモニカを吹いた白人との事です。62年にR&B・オール・スターズを組みますが、ジミー・ペイジ(g)、ニッキー・ホプキンス(p)、ミック・ウォーラー(ds)、ロンフ・ジョン・ボルドリー(vo)らが参加。63年の"Country Line Special"は、ハーモニカをメインにしたインストで、既にペイジは離れていますが、ホプキンスを大きくフィーチャー。デイヴィーズは白血病のため若くして亡くなりますがオール・ズターズの名前でバンドはクラプトンやジェフ・ベックをゲストに加え活動(Immediateレーベルでの怪しげなセッションが、名前を売るためにシングル化されたりもしました)したのち、LJBがフーチークーチー・メンの名前で引き継ぎ(メンバーは流動的でしたが)ました。

 

 

【名曲リレー243】country#3

■Old Country Waltz / Neil Young('76)

スティルス・ヤング・バンドが予定通り暗礁に乗り上げると、ニール・ヤングはカントリーっぽい内容の新作をレコーディング。オクラ入りになっていた旧作「Homegrown」(でしたっけ?)からチョイスしたB面を加えたのが「American Stars 'N' Bars」('77)です。ある時期異常にもてはやされた(個人的にはそんなにすごいとは思えないのですが)"Like A Hurricane"が入ってるんで人気盤ですが、アルバムの内容は散漫です。どっちの面もカントリー・ロック的で、リンダ・ロンシュタット、ニコレット・ラーソンがハーモニーを付けるユルいナンバーが中心。新曲として録音された"Old Country Waltz"は、キャロル・メイードのfiddleが入ったとてものどかな曲。ベン・キースのsteelがいいアクセントになっています。

 

 

【名曲リレー244】waltz#2

■Hollywood Waltz / The Eagles('75)

「One Of These Nights」でバーニー・レドン主導の曲ながら、ドン・ヘンリーによって歌われるいわくつきの曲が"Hollywood Waltz"です。このアルバムを最後にレドンはバンドを去るのですが、ブルーグラス風の壮大なインスト"Journey Of The Sorcerer"やレーガンの娘のパティとの共作"I Wish You Peace"ではイニシアティヴを取りますが、バンドの音とは、少しずれた所にあります。その2曲を入れることを条件にvoをヘンリーに譲ったとも考えられますけど、哀愁帯びたヘンリーのvoの方がしみじみするのは当たり前です。後にシルヴァーの弟のトム・レドンもグレン・フライ、ヘンリーと共に共作者としてクレジット。レドン自身フェルダーの加入でかなりプレッシャーを感じてた様で、こうして功労者はサーフィンに行ってくると言い残し脱退するのでした(都市伝説やねえ)。

 

 

【名曲リレー245】waltz#3

■Brand New Tennessee Waltz / Jesse Winchester('70)

4面同じ写真の見開きジャケが圧倒的だったジェシ・ウィンチェスターのファースト('70)。日本ではssw系の幻の名盤としてこのファーストが、prodのロビー・ロバートソンのこともあって、一部で大きく(^^)取り上げられ、このアルバムだけ神格化されたきらいはあります。ウィンチェスターは、メンフィス出身のsswで、ヴェトナム戦争に反対して、徴兵を拒否しカナダへ逃亡した経緯がありました(結局本国に復帰したのはカーター大統領就任の恩赦でした)。よってこのファーストは逃亡先のカナダ録音(あたかも指名手配犯の様な写真)。77年にワーナーがロック名盤で出した時(シングルジャケで2面のみになって迫力は低下)、「誰もが知ってる3大名曲が含まれてます」と書かれながらどれも聞いたことがなかった僕でした。"Biloxi"、"Yankee Lady"そしてこの”Brande New Tennessee Waltz”がその3曲。ロバートソンが手掛けたという事でハース・マーティネスを思い出しますがジェシの場合この3曲に限ってはやや甘め。あとは辛口のスワンプロック的なものです。