【名曲リレー26】no more#2
■You Don't Love Me No More / Madeline Bell('64)
マデリン・ベルは、英ロックにしばしば起用される(ゴスペル風)コーラス隊の一員の黒人女性シンガーの一人で、後のブルー・ミンクのvoであり、白い歯が目立つ(すきっ歯ですし)歯ぐきの出た人なんですが、ソロの多くはフリー・ソウルの時代になって重宝されてます。"You Don't Love Me No More"('64)は、トニー・ハッチ的なゴージャスな英ポップの世界。67年の初ソロ「Bell's A Poppin'」にも収録されています。
【名曲リレー27】no more#3
■No More Heroes / The Stranglers('78)
ストラングラーズのセカンドのタイトル曲が、"No More Heroes"。ギシギシいう鋼(はがね)の様なジャン・ジャックのbassが曲の骨格を支えてるストラングラーズの音楽は意外なほど聞きやすくポップな味わいすらあります。デイヴ・グリーンフィールドのエレピのおかげもあるんでしょうね。
【名曲リレー28】hero#2
■Billy Don't Be A Hero / Bo Donaldson & Heywoods('74)
邦題は”悲しみのヒーロー”。74年の#1ヒットですが、現在ではすっかり忘れ去られているポップグループ、ボー・ドナルドソン&ヘイウッズは、60's末から活動を続けるバンドでオハイオ出身。それまで出したシングルはほとんど泣かず飛ばずでしたが、ミッチ・マレイ=ピーター・カレンダーというバブルガムのライター作品の"Billy Don't Be A Hero"がいきなり#1となりました。これはヴェトナム反戦運動による当時の社会情勢と曲調、歌詞がマッチしたんでしょうか。ひょっとしたらTVの影響もあったのかも。しかしまあアイドルな扱いですね。実はこの曲はイギリスのペーパー・レイスの曲で、いわゆる競作もの。ペーパー・レイスのヴァージョンは、#96 と惨敗でしたが、彼らは"The Night Chicago Dies"を見事#1にして憂さを晴らした、なんて話はれい子センセのトップ40ファンにはおなじみですね。
【名曲リレー29】hero#3
■Poor Boy Hero / Ian Gillan Band
イアン・ギラン・バンド時代は強力な演奏力をバックに、力みながらシャウトしているイアン・ギランですが、こういうファンキーな曲調がこの人に似合っているのかはまた別問題でした。それでもハードロック少年の高校生にとってはこういうの聞いたことないから、異ジャンルへの入門としてはうってつけだったかも(身についたかどうかは別にして)。さて3枚目「Scarabus」は米盤のジャケがあまりに…でしたが日本ではメンバーのカッコイイ写真でなかなか。ただし変拍子の嵐は続きます。久しぶりに聞く”Poor Boy Hero”では、レイ・フェンウィックのgとコリン・タウンズのclavinetがカッコイイ。短い曲ですが、まさに雄叫び。
FB友に伺った話では、「Scarabus」というタイトルは子供番組(ヒーローもの)から取られてるらしいです。アルバムに先駆けた先行シングル”Country Lights”のB面でした。
【名曲リレー30】poor#2
■Poor Poor Pitful Me / Linda Ronstadt
豪華なサントラ盤(既発曲中心だけど、当時はかなり話題だった)ばかりが話題となり結局のところ映画の方は日本では公開されず、ソフト化もされなかった映画「FM」(タイトル曲はスティーリー・ダンの新曲)です。このサントラの目玉と言えるのが、人気爆走中だったリンダ・ロンシュタットのライヴが2曲入ってる事でした。"Tumblong Dice"と"Poor Poor Pitful Me"の2曲は、メガヒットを記録した77年の「Simple Dreams」からのナンバーです。前者は言うまでもなくストーンズの「Exile On The Main Street」から。後者はウォーレン・ジヴォンのAsylumからのカムバック作品に入ってました。ここではワディ・ワクテル(g)、ケニー・エドワーズ(b)、ドン・グロルニック(kb)、リック・マロッタ(ds)、ダン・ダグモア(g)からなる後のRoninをバックにした力強い歌声を聞かせます。そしてMCでの可愛らしい声を初めて耳にしたのもこのサントラだったのです。ここでは完全ではないけど3曲を。
先ほど既発曲中心と書きましたが、all新曲でしかもアーヴィング・エイゾフのFront Line Manegemant所属のアーティストばかりで固めたのが「アーバン・カウボーイ」であり、「初体験・リッジモントハイ」のサントラだったのです。