【名曲リレー1】this#1

■In This Place / Robin Trower('74)

同じような幾何学的模様のジャケットが続いて覚えられなくて、絶対損をしているロビン・トロワーの初期作ですが、「Bridges Of Sigh」('74)はマシュー・フィッシャーがprodした2枚目。ジム・デューワー(vo,b)、レグ・イシドア(ds)にトロワー(g)のシンプルな編成のブルーズ・ギター・ロック。ワン・パターンと言えばワン・パターンなんですが… でもヒット曲なしで本作は全米#7、次作「For Earth Below」は#5と言うのは立派です。これは地道なツアーとアルバムをOAするラジオ局のおかげでしょうか?”In This Place”はイントロに風のSEが入りこのジャケットの色合いから砂漠に吹き舞い上がる砂塵というイメージです。

 

 

【名曲リレー2】this#2

■Never Knew Love Like This Before / Stephanie Mills('80)

スポニチ芸能ニュース(そういう5分番組というか芸能宣伝ニュースってあった事覚えてます?)みたいな公園を散歩するクリップは、ステファニー・ミルズの80年のヒット"Never Knew Love Like This Before"です。ラジオから流れて好きになった曲。普段ならあまり出会う事なかったディスコ曲なんですけど、アリシア・ブリッジズといい、これといい、ラジオが果たした役割は僕の長年のリスナー生活で、とりわけ最初の15年は、大きかったのだと実感。作者はジェームズ・エムトゥーメとレジー・ルーカス。最高位#6まで上がっています。20th Centuryレーベルは、日本では20世紀レーベルとちゃんと日本語に訳されてたんで不思議。リリースはキングから。

 

 

【名曲リレー3】this#3

■This Time Tomorrow / The Move('70)

ロイ・ウッドがいたムーヴと言うバンドは初期はサイケデリックなポップとザ・フーばりのエキサイティングなステージで評判でしたが、どんどん地味になっていくのです。アルバムよりもシングルを追って行った方が面白く、リコーダーの入った”Curly"のB面曲の”This Time Tomorrow”は、アコースティックなバラードながら、ややサイケな装いがあります。書いてるのは同郷(バーミンガム)のデイヴ・モーガンと言う人で、60'sはアグリーズとか、スティーヴ・ギボンズ・バンド、80'には、ELOのリチャード・タンディとのバンドとかの人、この辺は地元の連中の結びつきが予想以上に強いですね。voはカール・ウェインでしょう。

 

 

【名曲リレー4】tomorrow#2

■Tomorrow's People / McDonald & Giles('70)

初期クリムゾンのリリカルなムードは確かにイアン・マクドナルドに由来するものでした。「宮殿」リリース後の過酷なツアーに疲労したマクドナルドとマイケル・ジャイルズは69年暮れに脱退。クリムゾン以前に組んでいた、ジャイルズ、ジャイルズ&フリップのピーター・ジャイルズ(b)と新たに結成したのがマクドナルド&ジャイルズです。Islandからリリースされた唯一のアルバム「McDonald & Giles」('70)は、「宮殿」幻想というのか必要以上に名盤化されているきらいはありますが、クリムゾン関係のアルバムで重要なものである事は変わりません。大作"Birdman"ばかりがクローズアップされますが、個人的には小品の方が出来がいいと思います。クリムゾンの"Cadence & Cascade"の原曲である"Flight Of The Ibis"、ブラスロック的な"Tomorrow's People"などです。プログレッシヴ・ロックがどんどん大がかりなものになってゆく過程で、非常にシンプルな編成でこれだけのものを聞かせるセンスは大したものです。

 

 

【名曲リレー5】tomorrow#3

■Tomorrow Never Knows / Monsoon('83)

ビートルズのサイケ的な代表曲"Tomorrow Never Knows"は、801の秀逸なカヴァーがありますが、80's初めにシーラ・チャンドラ(vo)をフィーチャーしたモンスーンがインド的な側面を拡大したカヴァーをやってなかなか画期的でした。83年の「Third Eye」が唯一作となりましたが、チャンドラはソロになりました。もともとインド的な面を持っていた曲ですが、ずいぶん広がりのある出来となっています。