本日の朝7:17:分
兄が到着したのはその数十分後

94年と言う4つの時代を生きた祖母が亡くなった

大正
昭和
平成
そして令和を生きた

祖母は自分より先に我が子を亡くしており
よく遺影を見ては「親不孝者・・・」と泣いていた

親より早く死んでしまう事が
なにより親不孝だと自分は
この祖母から教えて貰った気がする

幼いまだ赤子の自分を育てた祖母
5歳の兄を育てた祖母

末娘の子供達を背中で育ててくれた祖母

裕福ではなかった

けれど
不服か?
不満足か?

と言われれば
自分はとても良い経験をした
と思っている

祖母が兄や自分を大切に育てたからこそ
居なかった親を恨んだ時期もあったが
今は親の居る有難みが分かる

今 ご飯を食べ
学校に行けるのは
親がいての環境

それすら叶わない人間だっているのだ
行きたい道を選べなかった

だが
自分で選べた道もある
その時選べなかったからこそ
もがいている人に少しの助言を置いてやれる事もある

小さな背中で
たくさんの愛をくれた祖母が居たから
親が居なくても寂しくはなかった

ありがとう
自分をここまで大切に育ててくれて

あなたが必死でしてきた事を
無駄にしない為に

祖母の居なくなった家で
それでも生きていこうと思う

特別なんかじゃない

これは誰にしも起こりうること
誰しも通る道

当たり前だ
生きとし生けるもの全て
必ず死が訪れるのだから


愛猫や家族が待っているだろう天国で
先に待っていて

そして
自分が逝く時は
「待っていたよ」と迎えて欲しい


戦争を体験し
たくさんの知識をくれた
「母親」だった祖母

あなたが育てた生命

例え病気を持っていても
粗末にせず生きて行く

それがあなたが望んだ事ならば
その望みを叶えてあなたの元へと行きたい


慣れない病院はイヤだ
と言った祖母

ごめんよ?
もう少し待って

3日には
念願の家に帰れる

その時は愛猫と一緒に
おかえり
お疲れさまでした
と言いたい

祖母 享年94歳
大往生と受け取って良い年齢でした

ありがとう
ここまで育ててくれて
でも少しだけ
少しだけ涙を流す事を許して欲しい

あなたが居なくなる事は
とても寂しくその空間を埋めるには
時間がかかります

祖母は苦しむ事無く
この世から旅立ちました

それだけが今の自分の救いだと
祖母の安らかな死に顔が
眠るようなその顔が

一年介護してきた自分への救い
「死んで良かった」と泣く家族も居れば
こんな風に「もう少し生きて欲しかった」と願う家族も居る


多くの笑顔で多くの人に笑顔を与えた祖母
その心を自分は受け継いで生きたい