東日本大震災時に情報収集のために始めたTwitter。
 
炊き出しやお風呂の解放日、給水場所の情報などを集めるのに使っていました。
 
その後、状況が落ち着くと共にTwitterは放置していました。
 
が、今回の新型コロナ感染拡大に伴い、医療情報や海外の情報などを集めるために再開しました。
 
Twitterを再開してすぐに偶然見たのが著者のカマたくさんの動画でした。
 
強烈なキャラ、変顔や派手な身振り、でも、言ってることは本当に正統なことばかり。
 
一気にファンになりました。
 
動画は面白いのに本当に腑に落ちることばかりで、毎回欠かさず見ています。
 
 
 
 
 
 
 
(画像はカマたくさんのTwitterからお借りしました。)
 
 
 
著者のカマたくさんは「歌舞伎町イチ、癖がすごいゲイバー店員」です。
 
現在31歳。ゲイで以前はウリセンボーイでした。
 
(ご存知だと思いますが、ウリセンボーイというのは、「売り」を専門にしている売春男子のことです。)
 
Twitter見てると、とにかく頭のいい人で、はっきり物を言うけど物腰も柔らかく、とても気になる存在でした。
 
出身地を調べたら、なんと、福島県。

同郷じゃないか!
 
ますます気になる存在になっていたところ、本を出版してることに気づき、読んでみました。
 
この本では、カマたくさんが働いているゲイバーに来るお客さんのお悩みやTwitter上で相談されたお悩みに関して、カマたくさんがバッサバッサと答えていきます。
 
カマたくさんの考え方は非常にシンプルで、物事を複雑に考えない、人生の選択はやるかやらないかの二択というものです。
 
確かに、悩んでる時は余計なことまで考えて悩みをますます複雑にしてしまいがちですが、カマたくさんはそういう悩みを「今考えなければならないことなのか」どうか、突き詰めるようにアドバイスしています。
 
考えても解決しないような悩みは「時間の無駄」。
 
非常にシンプルです。
 
本の前半はお悩み相談に対する解答で、後半はカマたくさんの生い立ちや人生観などについて書かれています。
 
カマたくさんの家庭環境は悪く、父親の借金、ギャンブル、暴力などで家族が大変な思いをしていました。
 
中学1年の時に、父親に「売られて」初めて売春したそうです。
 
その後、「お金を渡せば暴力親父がおとなしくなる」ことに気づいたカマたくさんは、自分で売春を続けることを決め、16年間売春を続けます。
 
父親の借金や暴力、16年間に渡る売春と読むと、壮絶で不幸な人生と一般的には捉えてしまいますが、カマたくさんは「父親のことは嫌いだけど、トラウマも恨みもない」と書いています。
 
暴力や売春などの事実は事実として受け止めるけど、それに対する恨みや幸せな子供時代を送れるはずだったという思いへの執着がなく、今がとても幸せだそうです。
 
ホント、すごい人だな。
 
壮絶な時期が長いだけに、生き抜く知恵というか、考え方を身につけているんだなと思いました。
 
非常に頭のいい人で、第三者から見ると不幸な生い立ちも捉え方をうまく転換していて、悲観的にも楽観的にもなっていなくて、ただ淡々と受け止めているという印象を持ちました。
 
カマたくさんの父親は、彼が19歳の時に亡くなり、その後は母親やお姉さんと固い絆で繋がってるそうです。
 
面白いけど、潔い本だなと思いました。
 
ますますカマたくさんのファンになりました。
 
新型コロナの状況が落ち着いてきたら、ぜひ彼の働いているゲイバーに行ってみようと思います。
 
(カマたくさん人気でお店に行ってもなかなかお会いできないようですが。。。)
 
変に媚びたり、ネガティブやポジティブになっていない、淡々とした心地いい文章の本でした。
 
セクシャリティは関係なく、人生論として読むのにとても良い本だと思いました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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