人間処刑台 著:大石圭 | 105円読書

人間処刑台 著:大石圭


105円読書-人間処刑台 (角川ホラー文庫) 人間処刑台

大石圭:著
角川書店 ISBN:978-4-04-357218-2
2008年12月発行 定価740円(税込)









先週はコンスタンスに読書をこなしてたけど、今週は量がガタ落ち…。久しぶりに大石圭のホラー小説を読む…ホラーといってもスプラッターとかオカルトじゃなくて、闇格闘技のファイターを描いたヴァイオレンスものなんだけど、角川ホラー文庫の書き下ろしなんで、一応ホラーにしておきます。

網膜剥離でボクシングを辞めた小鹿…しかし戦いの熱気が忘れられず、格闘エージェントの誘いでアンダーグラウンドファイトに参加するようになった。小鹿の目的は、アンダーグラウンド界で最強と呼ばれるジョン・ラムアと戦うこと。なかなか対戦が実現せず不満が募っていたのが、ようやくそのチャンスが到来し…。

タイトルから、スプラッターホラーみたいなもん想像してたもんね、でも本当に格闘技の話。スタローンの「ロッキー」やヴァンダムの「キックボクサー」「ライオンハート」みたいな話を大石流の文章で表現するとこういう物語になるということじゃないでしょうかね?合間合間に、フェチった性描写文章も多く、相変わらずの大石節は健在で、グイグイと話を引っ張っていく…。

アンダーグラウンドファイトのエピソードに関しては、予想外の展開が多く、面白かったんだけれども…夫の暴力に悩む実姉のエピソードで、もう少し違う展開を期待していた。大石圭だったら主人公が、姉とやっちゃうくらい変態・鬼畜はアリだろうと思ってたんだけどな(近親相姦は実は他の部分でネタにしてたけど)…あと暴力亭主を主人公がぶちのめすのを楽しみにしていたんだけど…そうきちゃったかぁって感じだった。

ヴァイオレンスな感じだったけど、最終的な読後感は意外と爽快…本当にこれは大石流のスポコン話だったんだなぁって感じですね。「自由殺人」とか「湘南人肉医」「処刑列車」あたりのホラー作品が好きだった人には物足りないと思うけど、これはこれでありだと思います。






個人的採点:75点