心霊探偵八雲 1 赤い瞳は知っている  著:神永学 | 105円読書

心霊探偵八雲 1 赤い瞳は知っている  著:神永学


105円読書-心霊探偵八雲 1 赤い瞳は知っている 心霊探偵八雲 1 赤い瞳は知っている

神永学:著
角川書店 ISBN:978-4-04-388701-9
2008年3月発行 定価580円(税込)










巷じゃけっこう人気があるそうで、NHKでTVアニメ化されることも決まった「心霊探偵八雲」…角川文庫版の1~5巻を一気に100円コーナーで入手したので、読んで見たんだけど…。もともとは文芸社で自費出版したものを、角川でお色直しして大ブレイクしたらしい。

長編なのかと思ったら…連作形式の3本、プラス文庫用に書き下ろしたショートストーリーが1本オマケでついた構成。正直、これで本当に人気があるの?と疑いたくなるレベル…話はありがちだし、単にキャラクターで物語が動いてるだけって感じのお子様な作品。逆にここまで解りやすくないと、今は小説って売れないのって感じですよね。

中身が薄いので、テンポよくサクサク読めるんだけど…話に魅力を感じないので、集中力が持続せず、一日一話読むのが精いっぱいだった(笑)最初は文芸社で出したっていうあたりが、なんだか山田悠介と同じ匂いがするが、まぁ、アレよりはもうちょっとまともだったかな?手直ししたといっても、これがデビュー作でしょ?2巻以降で巻き返しは期待したいが(なんかシリーズを意識した伏線もあったし)、続けて読もうとは思わない。

「読みやすい」って誉め方をする人がいるんだけれども、それじゃ活字、小説の意味ないんじゃね?読書嫌いの人が、文庫本一冊読んじゃったよと、そういう満足感を得るにはちょうどいいのかもしれないけどな…。幽霊を見ちゃう主人公が、幽霊からヒントをもらって事件を解決していくという設定は否定しないけど、そういう大きな嘘を描く以上、事件そのものや、展開にはもう少しリアリティを持たせて欲しい。

発表時期をみるとたぶん、あっちがパクリなんだと思うけど、三津田信三の「死相学探偵」と酷似したキャラと作風。ただ文章力は三津田信三の方が上だし、ホラーな怖さや、本格推理的な雰囲気が味わえる分、全然「死相学探偵」の方が面白いと思うんだけさ…それってやっぱりあっちを先に読んじゃったからなのかな?今後のことを考えると、各エピソード都度の感想を書いた方がいいのかもしれないけど、とりあえず今回は書く気にもなれないなぁ。






個人的採点:40点