邂逅 警視庁失踪課・高城賢吾 著:堂場瞬一 | 105円読書

邂逅 警視庁失踪課・高城賢吾 著:堂場瞬一


105円読書-邂逅 警視庁失踪課・高城賢吾 邂逅 警視庁失踪課・高城賢吾

堂場瞬一:著
中央公論新社 ISBN:978-4-12-205188-1
2009年8月発行 定価900円(税込)









堂場瞬一の警視庁失踪課シリーズの3作目…一応、今現在はこれがシリーズの最新刊ということみたい。今回も文庫書き下ろし…3作全部、100円コーナーで見つけられてラッキーだったなぁ。これなんかまだ新刊で出てから半年くらいしか経ってないのに…。

港学園大理事長が失踪し、母親が失踪課を訪れ捜査依頼を。高城と明神はさっそく捜査を開始するのだが、その途端、母親は捜査の依頼の撤回を申し出る。事件性を感じた二人は大学関係者に当たるが、こちらも非協力的。一方、法月は持病を抱えながら、別件の女性大学職員の自殺事件を追いかけていたのだが…。

学校法人を運営していくのは色々と大変なんだよ…学校内って世間一般の常識はあまり通用しないしねって感じのお話が事件に関わってくる感じです。他の部署が横やりを入れてきたりするので、どんな大事件に発展するのやらと思っていたんだけど、引っ張ったわりに、大した事がないオチだったかな?あと、堂場作品は、関係者と意外なところで偶然バッタリと会っちゃうというパターン多いけど、酒好きの大学教授と、あんなところで会っちゃうのはさすがに都合がよすぎないか?

高城の捜査のパートナーは1作目でコンビを組んだ明神メインだったけど、法月のおやっさんが、サブキャラの中では一番クローズアップされていた。なぜ、法月は無理をして仕事を続けるのかということなんだけど…こちらも引っ張ったわりに、最後に明かされる真相は大した事がない。なんか、この物語やシリーズ全体に影響するような秘密でもあるのかとおもったが…。まぁ、一応、1作ずつで各サブキャラクターを掘り下げていこうってことなんだろう。

つっけんどんな女刑事だった明神は、だいぶ高城との関係が確立されてきた感じだね…シリーズものらしい、キャラクターの変化なんかは楽しめたけど、事件自体はちょっと面白みや意外性に欠けたところがある。このシリーズ…ファンの間ではやはり鳴沢シリーズよりは不評らしい。個人的には高城の抱えてる過去のトラウマなんかを前面に出した物語を読んでみたいと思ってるので、中途半端に終わってほしくないんだけど…続きは出るのかちょい心配。






個人的採点:65点