相剋 警視庁失踪課・高城賢吾 著:堂場瞬一 | 105円読書

相剋 警視庁失踪課・高城賢吾 著:堂場瞬一


105円読書-相剋―警視庁失踪課・高城賢吾 相剋 警視庁失踪課・高城賢吾

堂場瞬一:著
中央公論新社 ISBN:978-4-12-205138-6
2009年4月発行 定価900円(税込)










前回に続き、堂場瞬一の警視庁失踪課シリーズの2作目、今回も文庫用の書き下ろし作品。キャラクターの性格なども把握できてきたので、シリーズものとしての面白さが味わえる余裕が出てきたが…。

捜査一課から、失踪課に協力要請が…情報提供を約束した目撃者が行方をくらませ、手がかりがまったくないという。高城は一課の尻ぬぐいなどしたくないというが、室長の命令で、法月と明神が捜査にあたる。一方、高城は、高校進学を目前に控えた少女の失踪事件を担当する事に。連絡がとれないという友人が訴え出たのだが、少女の家族に連絡をとると、どこか対応が不自然だった。事件性を感じ取った高城は醍醐と共に非公式で捜査を開始する…。

鳴沢了シリーズが、毎回コンビが変わったように、このシリーズも毎回、パートナー役が変わるようですね。今回は元プロ野球選手という異色の経歴を持つ、巨漢の醍醐が高城をサポート…前作でも、頼りになる活躍をみせていたけど、今回はさらに踏み込み、彼が実は優秀な刑事であることを再確認させてくれる。ただ、高城同様、自分の過去にトラウマを抱えており、そういったものが少し捜査に影響してくる。

皮肉というより、単なるオヤジギャグ?(鳴沢よりも年齢が高い設定なんで仕方がないよね)…仲間や事件関係者と高城の丁々発止なやり取りはさらに磨きが掛ったようで、なかなか面白く、作品に惹きこまれていくんだけど、最終的な事件の真相なんかは、やはり前作同様にインパクト不足に感じてしまう。なんか、事件の内容では、あらためて感想を語るようなものはないなぁって感じなんですよね。

もしかしたら、高城が抱えている過去の問題、シリーズの最終目標は、その真相を描くことにあり、今はまだ、そのお膳立てをしている最中なのではないだろうかと、思ってしまったのだがどうなんだろうか?続いて3作目を読んでみるつもりだけど、またメインになるパートナーは違うのかな?






個人的採点:70点