四隅の魔 死相学探偵2 著:三津田信三 | 105円読書

四隅の魔 死相学探偵2 著:三津田信三


105円読書-四隅の魔 死相学探偵2 四隅の魔 死相学探偵2

三津田信三:著
角川書店 ISBN:978-4-04-390202-6
2009年3月発行 定価660円(税込)










ちょうど昨年の今頃読んだんじゃないかな?三津田信三の「十三の呪 死相学探偵1」…その続編シリーズで、今回も角川ホラー文庫書き下ろし作品。前作同様、オカルトと本格推理の適度な融合が読みどころみたい…。

城北大学に編入して“月光荘”の寮生となった入埜転子は、オカルト好きな男女が集まった大学非公認のサークル“百怪倶楽部”へ、半ば無理やり入部する羽目に。次第に仲間たちと打ち解け、夏休みのある日、女子寮の地下室で「四隅の間」という儀式を行うことになったのだが、その最中にメンバーの一人が突然死を起こしてしまう!以降、参加メンバーを次々と死が襲い、その都度不気味な“黒い女”が目撃されるようになった!転子は知人の紹介で死相学探偵・弦矢俊一郎に真相究明を依頼する…。

古典ミステリー的な味わいだった前作に比べると、現代ミステリー的な切り口へ。逆にホラーっぽい怖さは前作よりも増した感じ、“四隅の魔”を行っている最中の転子の心情などがなかなかいい雰囲気で、恐怖を盛り上げてくれる前半…死相学探偵の続編のくせに、中盤になるまで主人公が全く出てこないし…けっこうパターンは変えてきたかなって印象は受けた。

後半の、推理小説的な謎解きに関しては、割と予想通りだったというか…提示されている伏線で充分、真犯人まで看破できる。シリーズものなので仕方がないが、主人公が登場しちゃうと、俄然、ラノベっぽいチープさが急に目立ちまくるのが難点か?前半は緻密なのに、後半に入ると急に展開が大雑把になるね。

退屈しないで、サクサク軽く読めるミステリーとして、及第点な印象。前半の印象だけだったら、1作目より面白かったけど、トータル的な評価だと、面白さは同じくらいかなってところですね。将来的にはまだまだ続きが出そうな感じだけど、急いで続きが読みたいというレベルにまでは正直、達してないですね…続編が出ても100円コーナー待ちで充分かなと。






個人的採点:65点