警官の紋章 著:佐々木譲

佐々木譲:著
角川春樹事務所 ISBN:978-4-7584-1120-2
2008年12月発行 定価1,680円(税込)

間もなく映画も公開になる「笑う警官」と同じく道警シリーズの、三作目。過去2作は文庫で読んでいたので、自分はハードカバーではお初だったなぁ。最近になって、シリーズ4作目も、やはりハードカバーで発売になったらしい。
北海道警は洞爺湖サミットのための特別警備結団式を一週間後に控えていた。大通署刑事課の佐伯は、過去に逮捕状まで請求したものの、本部に横取りされた密輸事件に裏があるという情報を掴み、ひとりで再調査を開始。婦警の小島百合は、ストーカー事件での手柄が評価され、結団式出席の女性大臣の警護を任される。そして津久井卓は…拳銃を所持したまま疾走した警官を、警務課のベテラン長谷川と共に追いかけることに。三者、それぞれ別の任務で…結団式に関わっていくのだが…。
過去の展開を覆すような新事実が浮上するも…全体的にテンポの悪さを感じる。地味に捜査が進んでいたと思ったら、あっという間に結団式当日になっちゃって、その後の展開がいやにあっけない。結団式当日の展開で、もう二転三転欲しい印象…。また、あの人とあの人の関係はなんだったんだろうか?という物足りない部分もあるんだけれども…そのあたりは、今度出た新作のあらすじを見ると(ネットで調べたら)、またちょっと今回の続きっぽい話なので、あえて踏み込んでなかったのかなと思ってみたり。
小島百合がけっこうクローズアップされるのは嬉しいかなと…1作目を読んだ時は、もうちょっとお局様タイプのおばさんくさい婦警なのかと思ったが、けっこう可愛い分部を持ち合わせてるんだなぁと。佐伯の事を気にしつつも、東京からやってきた、イケメンSPにちょっと心が動いちゃったり…まぁ、そういうキャラクターの魅力は、シリーズが増すごとに、どんどん面白くなってるんだけどね。映画だと津久井の役を、宮迫が演じるらしいが…イメージ的にはもう少しかっこいいタイプなんだよな、自分としては。
個人的採点:65点