硝煙の向こう側に彼女 著:深見真 | 105円読書

硝煙の向こう側に彼女 著:深見真

105円読書-硝煙の向こう側に彼女 硝煙の向こう側に彼女

深見真:著
エンターブレイン
ISBN:978-4-7577-4677-0
2009年2月発行 定価1,785円(税込)








高校生殺し屋が活躍する「ヤングガン・カルナバル」シリーズの深見真によるガンアクション小説…こちらは警察のテロ対策、特捜係の女係長が主人公。今年になって出たばかりのハードカバーなんだけど、もう100円コーナーでGETです!

2010年代…日本は武力行使を前提とした自衛隊派遣により、本格的にテロ戦争の真っ只中に巻き込まれていった。そんな中、警視庁科学捜査研究所の塚田志士子警部は…対テロ専従、特別強行班捜査係の係長として抜擢される。彼女は“鉄砲塚”とあだ名されるほど、銃に精通した、科学捜査のプロフェッショナルだった。その矢先に渋谷で大規模な爆破テロが発生し…。

主人公が銃フェチで、映画やゲームが大好きで、レズビアンも出てきてと…「ヤングガン・カルナバル」との共通項がいたるところに散見できるのが、深見真らしくてうれしくなる。日本でテロが頻発しているという舞台設定のおぜん立てもよく考えられており、「ヤングガン・カルナバル」のような荒唐無稽さはだいぶ軽減…。

ちゃんとヒントがあったにも関わらず…プロローグを含めたどんでん返しにすっかり騙され、ヤラレたぜと…どうぞ疑ってくださいみたいな推理小説だったら、きっと意識して読んでたんだろうけど、まさか深見真の小説で、そんな仕掛けがあるとは思わなかったから、考えなしに読み進め…思いっきり作者の思惑にのっかってしまったようです…。

お得意の詳細な銃器描写が、しっかりと物語に生かされている点も良かった…主人公をピンチに陥れる足かせになっていたり、逆に事件解決の糸口になったりと…銃器描写でしっかりとミステリーしています。映画好きな主人公、DVDは返却が面倒なので、セル版を購入するというあたりにものすごく共感(笑)ちなみに主人公がストレス解消に見る映画DVDは「あるいは裏切りという名の犬」でした。






個人的採点:75点