ネクロダイバー 潜死能力者 著:牧野修 | 105円読書

ネクロダイバー 潜死能力者 著:牧野修

105円読書-ネクロダイバー 潜死能力者 ネクロダイバー 潜死能力者

牧野修:著
角川書店 ISBN:978-4-04-352210-1
2007年11月発行 定価620円(税込)









角川ホラー文庫の牧野修作品…携帯読書サイトにてネット配信されたものを、加筆・訂正して書籍化したものだそうで…比較的、サクサクと読みやすい文章。悪く言っちゃうと、多少の物足りなさを感じるか?

物部聖は、女性が暴漢に襲われている現場に遭遇…そしてその矛先が自分に向けられた時に“死”を直感するのだが…気がつくと、病院のような場所の診察台の上に寝かされていた。そこには、クラヴィクルという男が一人…彼から人の死に自由に潜り込める“ネクロダイバー”についての存在と役割の説明とを受けた聖は、自らがネクロダイバーとなり、死んだ後も現世に残り、モンスターのように暴走する人の想いを駆除するための戦いに、否が応でも巻き込まれていく…。

ネクロダイバーというタイトルからして、その存在自体はちょっとアニメの「キスダム」を彷彿とさせるが、死んでるのか生きているのかあやふやな存在であり、死者のモンスター化した怨念を成仏させるなんてところは、「屍姫」みたいな内容だね。でもって、死者の世界へダイブするっていうのは、「RD 潜脳調査室」の電脳世界みたいなんだけど、こちらの小説の方が発表時期が早いから、「攻殻機動隊」あたりの電脳の解釈が元ネタかな?

純然たるホラーというよりは、牧野節が効いたダークヒーローものといった感じ…そのネクロダイバーが活躍する連作短編っぽい構成になってるんだけど、各話のプロローグ、事件のきっかけになる出来事がつづられるあたりの描写は、けっこうグロくて、キモかったりしてなかなかいいです。誕生編みたいな感じで、これからいくらでも続編が書けそうな感じだけど、今現在はこれ1冊どまり。

ネクロダイバーのアシストをする此岸要員と呼ばれる普通の人間が出てくるんだけど、聖の捜査の相棒になる女性此岸要員が、なんだか知らないけどオタクという設定。頭に肉って書いてみたり(どうやらコスプレも趣味のようで)、昔のアニメのヒーローの決め台詞とか言ったりするのが、場違いで可笑しい。小説だから良かったけど、もし映像になったら、このキャラ使えないんじゃないの?と、心の中で歩く著作権侵害キャラと呼んでました(笑)






個人的採点:65点