メルキオールの惨劇 著:平山夢明 | 105円読書

メルキオールの惨劇 著:平山夢明

105円読書-メルキオールの惨劇 メルキオールの惨劇

平山夢明:著
角川春樹事務所 ISBN:4-89456-743-1
2000年11月発行 定価620円(税込)









「独白するユニバーサル横メルカトル」で有名になった平山夢明のホラー書き下ろし長編。「独白する~」は何年も前にハードカバーで見っけたけどまだ読んでなくて、「いま、殺りにゆきます」っていう、実話っぽい短編集みたいなのを1冊だけ読んだことあるんだけど…。

人の不幸をコレクションする男オギーの依頼で、自分の息子の首を切断して服役し、出所後に残された二人の息子と暮らし始めた女に近づくことになった俺こと自称トウェルブ…発見されず終いだった息子の頭部を求めて、ある方法を実行し、彼女たちと暮らすことになったのだが…。

主人公のトウエゥルブが垣間見せる自分の過去や、オギーとの関わりに、著者お得意の実録ものっぽい猟奇描写なんかを織り交ぜつつ…そこに関してはなかなかホラーしてて、そういう志向の人たちに喜ばれそうなんだけど、コレクションの為に近づいた怪しげな家族が、変わり者すぎちゃってるわけ…。

かなり奇抜で独創性のある物語…他の人には真似できないんじゃないかと思える、シュールさ、しいて言えばデヴィッド・リンチの映画みたいな印象なのかな?読んだことがない世界観なので、何が起きるんだろうという興味で、最後まで引っ張られてはしまうんだけど…無い頭でこの世界についていき、イメージするのはけっこう大変だった。

スプラッターみたいな怖さを期待していると、ちょっと拍子抜けか?頭の中をこねくりまわされてるような、変な作品が好きな人にはけっこうお薦めかもしれない。






個人的採点:65点