久遠 上 刑事・鳴沢了 著:堂場瞬一

著:堂場瞬一
中央公論新社 ISBN:978-4-12-205086-0
2008年6月発行 定価800円(税込)

西八王子署勤務の鳴沢の自宅へ、早朝早く青山署の刑事が現れ…アリバイ確認を求めてきた。そして有無を言わずに警察の取り調べ室に連れて行かれた鳴沢は、そこで自分が前日にあったばかりの情報屋が殺された事実を知る。逮捕こそ免れたが、現在の職場からは自宅待機を命ぜられる鳴沢…それでも自分の手で嫌疑を晴らそうと捜査に乗り出すのだが、その矢先に第二の事件が発生し…。
過去シリーズの脇役が総登場…いつも以上にタイミングが良すぎるぞ!というツッコミも入れたくなるが、完結編なんでそのくらいのファンサービスはよしとしましょうか。さらに被害者もかつての登場人物であったりして、絶対絶命のピンチに陥る鳴沢。
事件が事件だけに、いつもよりも、弱気な鳴沢…人間づきあいがとにかく不器用なんだけど、自分が思っているよりも、周りには味方がいたんだなぁと感じて、しんみりしちゃったりするんですよ。1作目の頃と比べると、人間味が出てきたのがよーく実感できますね。
事件の行方も気になるのだが…アメリカに行ってる恋人との関係もこじれたまま、その恋人の息子の勇樹くんが、鳴沢に対し、またまた思わせぶりな発言してて、そっちも気になる。
とりあえず、まだまだ前フリな上巻…まだ過去の登場人物の近況報告的なエピソードの方が多く、事件の核心からは程遠い感じなので、どいう真相が待っているのか、そしてどういう形でシリーズを完結させるのか、下巻に期待させられます。とりあえず、下巻を年内に読み終えることを目指しますか…。
個人的採点:70点