パラダイス・クローズド THANATOS 著:汀こるもの | 105円読書

パラダイス・クローズド THANATOS 著:汀こるもの

パラダイス・クローズド THANATOS パラダイス・クローズド THANATOS

汀こるもの:著
講談社 ISBN:978-4-06-182579-6
2008年1月発行 定価903円(税込)









今月はちょっと読書量がガタ落ち…月末までにあと2、3冊は読みたいけど、読めるかどうか。で、久しぶりに読んだのがこれ、わりと最近の講談社のメフィスト賞受賞作家のデビュー作。“本格ミステリを打倒そうとする生意気な新人が現れた”という有栖川有栖の推薦文に惹かれたが…。

周囲の者が数多く事件、事故をに遭遇し死んでしまう、死神と呼ばれる美少年立花美樹と、その双子の弟で高校生ながらいくつもの事件を解決してきた名探偵の真樹。二人はミステリ作家が所有する孤島の屋敷に招待され、お目付け役の捜査一課刑事・高槻と共に滞在することになったのだが…案の定、館の主人が殺されてしまった。容疑者は…一緒に招待されたひと癖あるミステリ作家たちだが…。

絶海の孤島、密室殺人、くせのある登場人物と名探偵…本格っぽくみせかけて、確かに最後の方でちゃぶ台をひっくり返してみせるこの作品。主人公の双子キャラはそれなりに立っているが…思ったよりも惹きつけられるものはあまりなかった。もう少し雰囲気を変えてライノベにした方が受けるんじゃないか?

魚介類だかなんだかわからんけど、生物に関する蘊蓄もちょっとウザイね…魚くんとかなら喜びそうだが、普通のミステリ好きはあまり興味なさそうな感じ。最近のこの手の新人ミステリー作家のパターンで、既存のミステリをちょっと小馬鹿にした目線で見つめているところもいやらしく感じてしまう。古典をバカにすれば新しいミステリだと勘違いしてるんちゃうか?

講談社のメフィスト賞、だんだんと質が落ちてきているような…この作者の2作目も100円でGETしてるが、続けて読む気にはならなかった。






個人的採点:60点