黄色い花の紅 著:アサウラ | 105円読書

黄色い花の紅 著:アサウラ

黄色い花の紅 黄色い花の紅

アサウラ:著
集英社 ISBN:4-08-630316-7
2006年9月発行 定価680円(税込)










発刊当時、集英社のライノベ、スーパーダッシュ文庫の小説賞で新人賞を受賞した新人作家のデビュー作。イラストはいかにもライノベだが、中身はなかなか本格的なアクションもので、文章も読みごたえがあった。

銃の規制が変わり、自衛手段としての銃の所持が認められるようになった日本。ボディーガードをメインに依頼があればなんでもこなす工藤商会の白石奈美恵は、府津羅組の依頼で、抗争に巻き込まれた組長の娘・紅花の救出に向かうのだが…そこで、仮面をつけた不気味な大男と遭遇する!

前半は奈美恵視点、後半は紅花視点の一人称で構成…最初は銃器に精通した奈美恵の視点で、派手なアクション満載、ガンガンと勢いで話が突き進む感じ。勢いにのまれ知らないうちに設定や世界観を理解していくようだった。

銃関連の専門用語が大量だが、下手な作家が書くと…専門書まる写しの知ったか文章だったり、逆にオタク趣味が爆発しすぎて、ただ専門知識をひけらかしたいだけの嫌みな文章になりがちだが…そういう読みにくさは全く感じなかった。ただ、サブキャラとかが、謎っぽいままというか、唐突に出てきたり、消えたりするところがあり、そういうところで、ちょっと魅力半減、今後の課題か?

後半は…紅花が実際に銃を取り、成長していく物語へ。前半と同じくらい銃に関するうんちく知識は膨大に出てくるのだが、紅花が銃を学ぶというスタンスをとっているので、わりと読者にも説明的な感じ。物語の展開上…視点変更するあたりで、ちょっとドッキリしたかな。

イラストがいかにもライノベっぽいけど、もうちょっと硬派なイラストだったら…充分に、アクション小説として売れると思うのに残念だな。比べていいかどうかわからんけど、トータル的にみると深見真の「ヤングガンカルナバル」にはちょっと負けるかなって?






個人的採点:65点