東京地下室 著:神埼京介 | 105円読書

東京地下室 著:神埼京介

東京地下室 東京地下室

神埼京介:著
幻冬舎 ISBN:4-344-40824-1
2006年8月発行 定価560円(税込)










官能小説で人気の神埼京介のミステリー?この著者は前に「みられたい」っていうホラーっぽい作品や、「渋谷STAY」なんていうサスペンスを読んだことがある。

女と別れ話をした直後の泉川リュウジの前に、弁護士を名乗る男、磯崎が現れ…別れた彼女と復縁したら100万円を払うという、怪しげな賭けを持ちかける。不審に思いながらも、金につられたリュウジは、賭けを承諾。実際は愛情も感じない元カノと難なくヨリを戻してしまった。賭けに勝ったリュウジだが、今度は磯崎の計らいで、怪しげな能力開発研究所の女研究員・吉川マキコと引き合わされ、研究所に通うようになる。

リュウジの周りに群がってきたヤツらの目的は何なのか?彼らに半ば洗脳され…人殺し衝動に駆られていく主人公。それと並行して起きている、いくつかの猟奇殺人…このあたりから、この能力開発研究所の目的は、ある程度推測できる感じ。

好きでもない彼女とヨリを戻すという恋愛ゲーム的な話と、怪しげな研究所の話…それから猟奇殺人と、途中まではグイグイとひきこまれていったのだが、結末が、そこかよみたいな、拍子抜けする呆気なさ。一応、能力開発研究所の目的だとか、殺人事件の犯人、目的なんかも明かされるんだけれども…そういうものが明かされても未消化な印象を受けたな。

ガールフレンドをただの性欲の捌け口ぐらいにしか考えていない、この主人公の行動を見てると、いつかはこうなるんじゃないかとは危惧していたが…物語の終着地点もそこだったとは…。ある意味、予想外ではあったが、色々なものがニアミスして、昂ってきた気持ちが、最後で急に萎えてしまった感じだ。






個人的採点:65点