黒の狩人 上 著:大沢在昌【新刊購入】 | 105円読書

黒の狩人 上 著:大沢在昌【新刊購入】

黒の狩人 上 黒の狩人 上

大沢在昌:著
幻冬舎 ISBN:978-4-344-01559-3
2008年9月発行 定価1,785円(税込)









新聞広告で見かけて、あわてて買ってきた、久々の新刊購入本を…他の積読本を後回しにして読み始める。新刊で出たら、買うことに決めてる稀有な作家、大沢在昌の…「北の狩人」「砂の狩人」に続く、狩人シリーズ三作目。ハードカバーで上下巻組…約3500円。いつもの35倍だが(笑)、まぁ、いつも100円で楽しませてもらっているから、本当に好きな作家くらいちゃんと新刊で買ってあげないとねぇ…。

中国人ばかりを狙った殺人事件が発生…共通項は、“五岳聖山”の刺青だけだった…。発生場所も異なるこの事件を、特命で担当することになった新宿署の組対課の佐江…上層部の命令で“毛”と名乗る中国人通訳と一緒に行動をすることに。一方、外務省の野瀬由紀は個人的に事件に興味を持ち、情報を得るために付き合っている公安部の警部補・水森を巻きこんで調査を始めるのだが…。

主人公は毎回違うのだが、新宿署の中年刑事・佐江さんが主人公にひっぱりまわされる、事件に大きく関わってしまうというのがシリーズのお約束となっているのだが、今回はわりと、その佐江さんが中心になって物語が展開していくように感じる…とりあえず上巻を読んだ限りでは。

佐江さんと行動を共にするのが、怪しげな中国人通訳と、外務省の美人役人で、中国人犯罪や外交問題を絡めた壮大なストーリーが紡がれていく。スパイやら殺し屋やらの影もちらつかせながら、ようやく事件の外郭が浮き彫りになってきたあたりで上巻は終了となり、事件の核心部分の解明は下巻へ続く感じ。

中国名の登場人物が多く、その関係も複雑に入り組んでるの、相関図を把握するのが大変だし、最初の方は何が起きているのかつかめない。地道な聞き込み捜査の過程が続き、アクション的なものはまだ控えめであったが…一気に読ませる求心力は相変わらずで、あっという間に400ページを読み終わる。この調子だと下巻も楽しみだな。






個人的採点:75点