怪盗グリフィン、絶体絶命 著:法月綸太郎

法月綸太郎:著
講談社 ISBN:4-06-270578-8
2006年3月発行 定価2,100円(税込)

怪盗グリフィンの元に、メトロポリタン美術館にあるゴッホの絵画を盗み出す依頼が舞い込む。実は、美術館に所蔵されている絵が偽物で、手元にある本物とすりかええてほしいというのだが…。しかし、この奇妙な依頼は事件の始まりにすぎず、ひょんないきさつからCIAの仕事を手伝わされる羽目になったグリフィンは…国の極秘任務でカリブ海のボコノン島へ向かう!
少年幼女向けっぽい冒険譚の連続…第二部あたりになると、ちょっとスパイ小説的な王道ぶりが発揮され、007みたいな展開が好きなので、思わずニンマリ。で、クライマックスにはしっかりと、どんでん返し的な駆け引きが盛り込まれており、軽妙な文体ながら、けっこう楽しませてもらった。適度なブラックユーモア、ジョークが絶妙。
過去に読んだ他の作者のミステリーランド作品に比べると、ボコノンの歴史云々のくだりだったり、美人エージェントと偽装夫婦になったりの展開(恋愛関係に発展したり、お国のためにHしたりはなかったけど)が、やや大人向きすぎるようにも感じるが、だからこそこのミスなんかでも支持されたのかな?
確かにこのシリーズ、大人が読んでもはずれは少ないが、やっぱり定価2100円はかなりのネック。気長に、ブックオフでの収集を続けます。
個人的採点:70点