続々 殺戮のジャンゴ害伝 地獄のビッチハイカー 著:佐藤大とストーリーライダーズ
地獄のビッチハイカー
佐藤大とストーリーライダーズ:著
ニトロプラス:原作
小学館 ISBN:978-4-09-451042-3
2007年12月発行 定価600円(税込)

アニメが好きなので、脚本家としてはよく存じ上げている佐藤大さんのライノベ…長ったらしいが、インパクトがあったので、内容も知らずにタイトル買い。なんか、ゲームか何かが元ネタらしい。
マカロニ・ウェスタンの世界が実在する辺境の無法惑星スウィート・ウォーター…ビッチハイカーと名づけられた名も知らない美女が、本当の意味も知らずにその惑星にやってくる。その姿を8ミリカメラで隠し撮り、編集をするのが、ピンク専門放送局の番組「天国までイキたいの!ビッチハイカーTV」の"ディレクター”の仕事だ!
エロ専門のどっきりカメラ…ビッチハイカーと名づけられた美女ターゲットが、蹂躙されまくり、挙句の果てには●●されてしまう様子を…隠し撮りする、カメラマン兼監督のお話。
くだらねぇ~、エロ要素は強烈に詳細ではないが、SF、ウエスタン風味なポルノ小説だなこれ(笑)ラノベって、今はここまできちゃってるんだね。表紙はさすがに服着てるけど、挿絵に出てくるおねーちゃん、みんな素っ裸。と、そういう類の小説です。
ただ、何気に脚本家として映像作品に数多く関わっている佐藤大…エロと鬼畜などうしようもない文章の中に垣間見せる、映像論やら映画蘊蓄、映画オマージュ、アニメ、サブカルネタには思わずニヤリとさせられる箇所あり。
それと序章を含み、全部で4章構成になっているが…最終章の展開は上手。しっかりと映像作家特有の悲しい性が描かれており、お約束のようなどうしようもない展開ながら、ただのポルノ小説から、ここで見事に脱皮させている。
設定はSFなのに…普通に実在のマカロニ・ウェスタンと、ホラー映画の話がてんこもり。いい加減でいかがわしいところが、なんかB級感出てて面白い。そういうところを含めて、しっかりとマカロニへのオマージュが込められている。
タイトルに“続々”とついているが、小説はとりあえずこれ1冊。そういうタイトルの付け方もお約束なわけで…一応、架空の次回予告なんてものも載っていたので、人気次第では続編を書きたいんだろうなぁと思うんだけど、どうなんでしょうねぇ?
個人的採点:65点