パラダイスビーチ 著:鳴海章

鳴海章:著
双葉社 ISBN:4-575-50784-9
2001年6月発行 定価800円(税込)

昨日まで読んでいた「天帝のはしたなき果実」が、マジで読みづらくて、疲れたので、なんかスカっと読めるものはないかということで、コレをチョイス。犯罪に巻き込まれた女子高生と犯人一味の逃避行ものです。
女子校に通う相原律は、平凡な学生生活を過ごしていたのだが、ある日、クラスメイトの由美が、いじめにあい、通称“かえるの解剖”と呼ばれている性的な虐待を受けている現場を目撃してしまった。真相を知りながらも、関わり合いになりたくないと願う律だったが、それから由美は学校を欠席するように…。ある日、その由美から相談があるので、会いたいという連絡を受けた律は、負い目もあり由美に会いに行くことに。しかし呼び出された場所はヤクザの事務所であり、律に復讐しようとした由美がヤクザに依頼して、レイプしようと企んでいたのだ。そんな時、事務所に強盗が現れ銃撃戦に!律はその襲撃犯に助けられ、一緒に車で逃走する羽目に…。
鳴海章版“トゥルー・ロマンス”といったところでしょうかね…犯罪に巻き込まれ、ヤクザと警察に追いかけられ、その危機的状況で、一緒に行動している犯罪者に父性や恋愛感情的なものを抱いてしまう女子高生。
いろいろな場面で、いろいろなヤツがいじめにあい、何度となくレイプされる描写がいっぱい。それも、女が女にだったり、男が男にだったり…殺しながら犯しまくる変態だったり、もう鬼畜なヤツいっぱい、えげつない行為いっぱい。
女子高生同士のいじめで、クラスメイトを教室でやっちゃうという冒頭の“かえるの解剖”こそ、かなり衝撃的ではあったが、繰り返されるたびに、またか?な印象…けっこう慣れてしまった(笑)ついでに、死体の山もいっぱい。
裏切ったり、裏切られたり、死んだと思っていたヤツが生きていたりと、ドロドロとした人間関係…ありがちなんだけど、最後のオチは盲点だった…。強烈に印象に残る作品ではないが、テンポよく読め、バイオレンスなエンターテイメントとしてはそれなりに満足はできた。
個人的採点:65点