ホラー映画ベスト10殺人事件 著:友成純一 | 105円読書

ホラー映画ベスト10殺人事件 著:友成純一

ホラー映画ベスト10殺人事件 ホラー映画ベスト10殺人事件

友成純一:著
光文社 ISBN:978-4-334-74294-2
2007年8月発行 定価500円(税込)









読書量がガタ落ちしてる、今日この頃…リハビリがてらサクっと軽く読める文庫本をと思い、コレをチョイス…友成純一の「ホラー映画ベスト10殺人事件」。1989年に新書で発刊されたが長らく絶版、2007年に光文社文庫で奇跡の復刊(笑)昔、新書版をやっぱりブックオフで見つけたんだけど、復刊前は相当プレミアがついてたので、ヤフオクで売ってしまった経緯があり、ようやく読めます(笑)

ホラー映画評論家の庄内良輔…昼間は試写会を梯子し、夜は飲み屋の梯子。ある日、飲み屋で飲んでいる時に、ポルノ映画の助監督にからまれさんざんな目に遭うが、後日、その相手が惨殺された。それを気に、庄内の周りで次々と人が殺され始めたのだが、なんとみんな庄内が挙げたホラー映画ベスト10の殺人シーンそっくりの殺され方をしていた。動機はあるがアリバイがない庄内…犯人はいったい?

やってることはグログロ、鬼畜のスプラッターなんですけど…友成作品にしては軽めの文章。ホラー映画のパロディ満載なので、映画好きなら適度に楽しめる。殺人事件というタイトルがついてるし、犯人探しみたいな部分もあるから、一応推理小説ってジャンル分けも成り立つかな?

冒頭では映画業界の内幕ネタを詳細に披露、20年近く前の描写なんで、今とはだいぶ状況も変わっているだろうが、映画秘宝に寄稿している著者本人の映画評でも読んでいるような、リアルなところが面白かった。

もっと赤裸々に、作品全体にこうした描写を取り入れてほしかったが、後半は真犯人視点とか、大殺戮にページを割かれているので、思ったほど業界的なディープさが出ていなかった。

ぜひ、今風にリライトしたり、続編を出版してほしいと思った。関係者のその後も興味ある。






個人的採点:70点