pulp Ⅰ 著:森橋ビンゴ | 105円読書

pulp Ⅰ 著:森橋ビンゴ

pulp Ⅰ pulp Ⅰ

森橋ビンゴ:著
エンターブレイン ISBN:4-7577-2552-3
2006年1月発行 定価630円(税込)









けっこう前に表紙買いした、ファミ通文庫のライノベだけど、全部で三部作だということで、そろってから読もうと思ってた。1、3を入手したんだけど、なかなか100円コーナーで2巻が見つけられなかったんだけど、最近、2巻を見つけて全部そろったので、ようやく一気に読めます。

母親の事故死がきっかけで、父親が豹変し…暴力を振るうようになった。そんな女子高生の須賀沢嬢は、リストカットすることで生を実感している。ある夜、リストカットのための新しいカッターナイフをコンビに買いに出かけたところ、突然、通り魔に襲われてしまった。さんざん自傷行為を繰り返していた嬢も、通り魔に襲われることに恐怖し、死まで覚悟したのだが…気がつくと、学生服を着た同年代の少年に助けられていた!少年との出会いが…嬢の日常に変化をもたらしていく。

前半は父親の家庭内暴力におびえ、リスカを繰り返すヒロインのシビアな日常を延々と描いているので、ライノベらしかぬダークさ。学校での疎外感など、読んでいてけっこう痛々しい。

文章もうまいし、へたすりゃ文芸小説っぽいノリにも感じられるのだが、でも、次第に…主人公の日常に変化が訪れ、後半はようやくそれらしい展開がみえてきました。

主人公たちが暮らしている都市に、巨大な陰謀が渦巻いており、実は自分たちのごく身近なところで犯罪が起きていた。そして、その陰謀を暴き、叩き潰そうとするグループと関わってしまったことで、主人公もその争いの渦中に放り込まれてしまうと…。

この巻での犯人にあたる人物とか、わかり安すぎちゃって、ちょっともったいない。もっと意外性のある展開があれば面白かったんだろうけど…物語が動き始めてからは、予想通りで、前半ほどのインパクトを感じない。主人公の目的が見えてきてしまったので2巻目、3巻目ではさらなる謎や事件がないと、面白みに欠けそうだなとちょっとだけ不安になる…次での巻き返しに期待!






個人的採点:65点