疑装 刑事・鳴沢了 著:堂場瞬一 | 105円読書

疑装 刑事・鳴沢了 著:堂場瞬一

疑装 刑事・鳴沢了 疑装 刑事・鳴沢了

堂場瞬一:著
中央公論新社 ISBN:978-4-12-204970-3
2008年2月発行 定価900円(税込)









刑事・鳴沢了シリーズの9作目…100円コーナーで見つけたので気にせず買ったが、コレ、今年の2月にでたばっかじゃん!?ラッキー…でも、今日の新聞広告に、初の上下組、しかも完結編と謳った最新刊の宣伝が載ってた。そっちも読みたいけど、いやいやここまで100円で集めたんだから…待ちましょうよ(笑)ってことで、「疑装」のお話に戻しましょう。

西八王子署管内で行き倒れの少年が保護され、病院へ収容された。刑事課の鳴沢と相棒の藤田は…さっそくその少年と対面をするのだが、なぜだか言葉をしゃべろうとはしない。外国人で言葉が通じないのではないか?との疑問が浮かび、日系ブラジル人の可能性であることまで突き止めたのだが…肝心の少年が病院から行方不明になってしまった。仲間の意見に反し、事件性を考慮する鳴沢は…少年の行方を求めて、群馬にあるブラジルコミュニティを目指す!

前作で警視庁の刑事だった藤田が、鳴沢と同じショカツの刑事になり、今回も相棒役で再登場。珍しく、鳴沢本人は移動してないんだね(笑)左遷しまくられてるから、他に行きようがなくなっちゃったのかな?(笑)

この迷コンビに、さらに生活安全課の美人婦警を加えて…わりとチームプレーで事件を捜査。でも、警視庁管内でなくて、群馬県警の田舎警察に殴り込み(笑)ひっかきまわす。ついでに、待ってました…昔の相棒、女探偵の冴ねーさんも、本編に絡みまくりで再登場。そんかし、優美と勇樹との関係は今回もあまり変化なし、出番も少なめ。

前半はダラダラとした感じだったけど、第二部のラストで急転直下…事件が動き出す。事件の真相だったり犯人はやっぱりって思うところがあったが(読者に対してのフェアな伏線があるんだけど…そこで鳴沢も気づけよボケ!って思ってしまう)、展開の方が意外と予想外だった。こうきちゃったか…ってね。

一方で、前半から…登場し、鳴沢と連絡を試みようとするなぞの弁護士の存在が、気になって、気になって、しょうがないんだけど…やたら引っ張ります。ここでようやく用件が判明するかな?って思っても…まだ、焦らす。結局…最新刊で、完結編だという次回作へのフリだったみたいなんだよね、その内容は。だから、こんなとこでおしまいかよ、気になるじゃねーか!って感じで、ラストで超イライラさせられた。 

少しは成長したようにみえた鳴沢だけど、やっぱり人づきあいはへたくそで、ことさら女の扱いが本当に不器用。後で後悔するくらいなら、もうちょっと上手に立振舞っておけよ!と、お説教の一つでもしてやりたいくらいです。そうすれば、事件がこんな大きくならなかったかもしれないのに(爆)






個人的採点:75点