ともだち 著:樋口有介 | 105円読書

ともだち 著:樋口有介

ともだち ともだち

樋口有介:著
中央公論新社 ISBN:4-12-204066-3
2002年8月発行 定価820円(税込)









最近、ハマっている樋口有介を続けて読んでみた…今回も高校生が主人公の青春ミステリーだが、剣道の達人の美少女になってるのは割と、今風でいい感じ。初出は約9年前の1999年だそうで、2002年に文庫版化されたもの。

祖父に剣術を教え込まれた高校生の神子上さやかは、諸事情で学校では他の生徒や教師から近寄りがたい存在になっている。そんな、さやかと同じ学校に通うコギャル女子高生が襲われる事件が頻発していたのだが、その矢先に、今度はさやかと同じ美術部員の美少女が殺されてしまった!さやかは、殺された少女と行動を共にしていた転校生の間宮という不思議な少年と共に犯人探しをはじめるのだが…。

つづけて読んだ樋口作品2作品では、男の子視点で描かれていたけど、今度は女の子視点になってます。でも、ワトソン役の相棒は、今までの主人公を彷彿とさせる、ちょっと皮肉屋の男子高生っていうのが、やっぱり共通するところだね。恋人でもない、微妙な距離感の二人が友達の死の真相を探っていくんだけど、今までと違うところは最初から殺人事件だとわかってるあたりで、俄然、推理小説っぽさが強くなった。

ただ、あらすじを読んだだけで、だいたいの事件の真相は看破できちゃうし、だから事件が起きる前から、怪しい犯人にも目星がつくわけ。著者としても、そんなにミスディレクションさせようというわけではないんだろうけど、そういう展開も簡単に見破れちゃうのね。

予想通りの展開ではあったが、樋口作品はキャラクターの描きこみを楽しむことに、趣をおいているので、今回も安定して楽しく読めたけどね。






個人的採点:70点