ナイトブリード 著:友成純一
ナイトブリード
友成純一:著
角川春樹事務所 ISBN:4-89456-800-4
2000年11月発行 定価650円(税込)
この間、急に寒くなったと思ったら、また急に暑くなったり…そのせいかな、1週間くらい体調くずしました。珍しく医者通いもしてしまった…本を読むどころじゃなく、布団の中で唸ってました。で、ようやく峠を越したみたいなんで、読書再開、その一発目で、なぜか友成純一のグログロホラー(笑)
5年前に日本全土を襲った大地震…しかし、不思議と全く被害はなかったのだが、それを境に、今まで目に見えなかった悪魔、妖怪、物の怪の類が、日本各地に現れ、混沌の時代が幕を開けた…。妖怪が跋扈するのは当たり前で、あるものは、人に憑依し人肉を喰らう!そんな世で、九州を拠点に日本転覆を企む過激な宗教団体“黄昏の鉄十字教団”、それと対峙する“黎明の光教団”の争いは激化…さらに化け物退治専門の武装機動隊が“黎明の光教団”と手を組み九州の覇権を奪取しようとし…。
友成節絶好調、血と汚物をまき散らすスプラッターバトルを延々と繰り返す中で…妖怪、物の怪は恐ろしいが、一番の元凶は人間様であるというのを説いている作品です。
化け物どもが日常にあふれかえり、カオスと化した日本…化け物退治を志願する諸外国が、それを理由に侵略してくるんじゃないかと、かたくな援助を拒んでいる日本とかね…世界観や設定は凝っててなかなか面白い。
ただ、広げた風呂敷が、最終ページ近くになっても、手つかずなんで…こんなんで話を完結させることができるのだろうか?と思ったら、最後の一行に“第一部 完”の文字が…。え~、ウッソー、だよね。ネットとかで調べて見たんだけど今のところ、続編らしき小説は出ていない模様。これで、物語がしっかりと完結していれば、傑作なんだけど、この高揚感をどこで発散させればいいのやら…。
個人的採点:65点