螺旋に回転する世界 著:菊池勇生 | 105円読書

螺旋に回転する世界 著:菊池勇生

螺旋に回転する世界 螺旋に回転する世界

菊池勇生:著
小学館 ISBN:4-09-379734-X
2005年11月発行 定価1,365円(税込)









ゲーム好きの人がカバー買いしそう(笑)金子一馬のカバーイラストが印象的…これが単行本デビューの新人作家だそうだが、漫画原作などの経験はあるそうです。

刑事の横川憲二の携帯に、半年前に連続バラバラ殺人事件に巻き込まれて死んだ妻、響子から電話が…。しかも、言っていることが支離滅裂で話がかみ合わない。憲二が生きているのは、皇紀2665年、光文17年の2月…電話の響子は西暦2004年、平成16年の8月だという。さらに西暦2004年の方でも連続バラバラ殺人が始まっており…次のターゲットが2004年の響子で、それも1週間後には殺されているのではないかということになり、お互いに協力しながら両方の世界で事件の捜査を始める。2665年の憲二は…かつて他の事件で一緒に捜査した探偵・小鳥遊司に協力を仰ぐ…。

過去からの電話っていうのはありそうなんだが…さらにパラレルワールドがからんでくるから、やたらとややこしい。 自分が住んでるのとは異なる世界、さらに半年遅れ、で両方の世界で似たような事件が起きているから、もしかしたら数日後には、パラレル世界(読者から見ると現実世界の方の)の嫁さんも殺されちゃうんじゃないかということで…事件を解決していこうとするって話。

バラバラ殺人の犯人探しと…一応は推理小説らしき展開もあったりするんだけど、なんでもアリのSFなのか、コレ?殺人事件のオチは某有名SFアクション映画みたいになってたんだけど…二つの世界が関係してくるので、もっと複雑。

推理ものとしては、とってつけたような真相でやたらとチープ…設定やキャラはわりと奇抜なだけに、この世界観自体の真相に迫る物語展開にしたら、SFミステリーとして立派だと思うんだけど、そっちは投げっぱなしが多いので期待ハズレ。

主人公は刑事でも嫁さんでもなくて、光文の方の世界にいる…合法ドラックでラリると推理力がアーーーップするホモの美青年探偵(表紙イラスト)なんだそうで、それが一番の売りになってるらしいんだけど…意外と出番少ない(笑)ここをもっとクローズアップさせても面白いはずなのに…。






個人的採点:60点