春を嫌いになった理由 著:誉田哲也 | 105円読書

春を嫌いになった理由 著:誉田哲也

春を嫌いになった理由 春を嫌いになった理由

誉田哲也:著
幻冬舎 ISBN:4-344-00734-4
2005年1月発行 定価1,680円(税込)









ジウシリーズや姫川玲子シリーズなど最近は警察ミステリーで活躍している誉田哲也。ホラー大賞を受賞した「アクセス」の次に書かれた作品だそうだ。過去にも誉田作品はいくつか読んでいるが、エンターテイメントとして安定した面白さなので、好きな作家の一人。

TVプロデューサーの叔母から、番組にゲスト出演する外国人霊媒師エステラの通訳を任された秋川瑞希だが、彼女は、そういった非科学的な事は大嫌いだった…。しかし、来日したエステラが番組のロケ先で本当に白骨死体を発見してしまった。もしこれがヤラセだったら…叔母たちTVスタッフもグルなのではないかと疑い出すのだが…?そうこうしているうちに、エステラが出演する番組の生放送が始まる…。

オカルティックな内容も含みつつ、白骨死体の正体は何者なのか?いったいどんな事件が起きていたのか?という真相を追求する、推理小説的な物語としても受け止められる。

TV局の内幕ネタっぽい部分を含みつつ、トラブルに巻き込まれる瑞希が幼少期に負ったトラウマ、そして何故か並行して語られる、中国人密航者の話などどう関わってくるのかが読みどころ。

クライマックスは、一気に物語が加速…アレとコレがピタっとハマって、そうくるか~。読み返せば、こういう結末を導き出せるキーワードはあったんだけど、文章のテンポとかにうまくノセられちゃったな。

シビアな話もいっぱいあるんだけど、TVプロデューサーのオバチャンと、瑞希のコミカルな関係などが場を和まし、読後感はわりと爽やか。面白く読めましたね!






個人的採点:65点