うしろ 著:倉阪鬼一郎
うしろ
倉阪鬼一郎:著
角川書店 ISBN:978-4-04-384301-5
2007年3月発行 定価740円(税込)
角川ホラー文庫で初登場の倉阪鬼一郎、書き下ろし作品。
セキュリティ万全、女性専用…一見、普通に見えるマンションだったが、妙に人の入れ替わりが激しい。音楽を学ぶために韓国からやってきたイェニョンをはじめ…新しい入居者たちも、その違和感に少しずつ気づき始めるが、既に仕掛けれていた呪いが発動していた…。
文字による視覚的な怪しさなど、倉阪鬼一郎らしいお約束を多用し、ジワジワと攻めてきて、頂点に達すると一気に加速して、何もかもが大爆発する。ああ、やっぱりいつもの倉阪節炸裂だぁと妙に安心!?
死人急増…鬼畜なことやってるけど、そんなに怖くなく、やっちゃったぁ~というおもろさ。ワンパターンだけど、けっこう好きです。
マンション住人の一人である、怪談小説好きの大学講師に、ホラー小説論を代弁させるなど、こういうとこもお約束だね。
そんなに新鮮なもんでもないので、やっぱり倉阪フリーク向けって感じの作品。一月に読んだ、著者初の本格伝奇モノだという…「大鬼神 平成陰陽師 国防指令」よりは普通に読めていいです。
個人的採点:65点