ヴァンガード 著:深見真 | 105円読書

ヴァンガード 著:深見真

ヴァンガード

深見真:著
集英社 ISBN:978-4-08-630385-9
2007年10月発行 定価560円(税込)









集英社スーパーダッシュ文庫、ライノベです。「ヤングガン・カルナバル」シリーズの深見真が、お得意のリアル銃器描写を武器に、ウィザードリィ風のRPG小説に挑戦。

大地震により突如出現した、巨壁…東京を取り囲んだその壁は、東京を日本から孤立させてしまった。そして、その壁の内部には迷宮が存在し、人間とは異なる文化や生命も存在している。その迷宮内を資源や出口を求めて探索する者をヴァンガードと呼ぶ。壁の出現から約50年後の2070年…18歳の柊速人はヴァンガードのパーティーリーダー。個性的な仲間たちを束ね、迷宮探索に挑んでいたのだが…とんでもないトラブルに巻き込まれる。

お約束な設定をもっともらしくアレンジして説得力を持たしているのが、けっこう読んでいて楽しいです。2070年という近未来の話なのに、外から文化が入ってこないので…あまり今の日本と変わってなかったりね(笑)武器を登場させるための設定も、いろいろと考えられていていいです。外の世界と遮断されてるんだから、外国製の武器なんて入ってくるわけないんだけど、そういうところの解釈も上手に考えられています。

銃器描写の他にも、オタク知識やら、学園もの要素、レズっ気のある女の子によるお色気など…「ヤングガン~」と共通、彷彿とさせる部分もあり。モンスターとか出てくるんだけど、対決はあくまで銃器で。魔法が出てきたり、死んだ人は生き返ったりしないし…ファンタジーな要素は全くないです。「メタルギア」+「ウィザードリィ」 ってとこかな?

1冊ぽっきりでは、設定のすべてを解き明かすような作品になっていないので、今後の読者の反応次第では、著者もシリーズ化を目論んでいることでしょう。続編に期待。





個人的採点:65点