EDGE2 三月の誘拐者 著:とみなが貴和
EDGE2 三月の誘拐者
とみなが貴和:著
講談社 ISBN:978-4-06-275617-4
2007年1月発行 定価600円(税込)
昨年読んだ1作目に続き、続編の2巻目をようやく入手したEDGEシリーズ。もともとは女の子向けライノベ、講談社X文庫の人気シリーズ(既に完結しているそうで)なのだが、いかにもなイラストなどを排除し一般の講談社文庫でリニューアル刊行中。
7歳の少女が行方不明に…他県で起こっている連続少女誘拐事件との関連も視野に入れて捜査に入った警視庁は、ラグナロク・ボマー事件でも成果を見せた、天才心理捜査官・大滝錬摩に協力を求めるのだが…。
錬摩の相棒になる精神が退化してしまった超能力青年・宋一郎の存在にさえ我慢すれば…連続爆弾魔だった前作よりも、さらに身近に潜んでいそうな犯罪者を描いていて、物語のリアリティを増す。主人公側よりも、犯人と被害者の描写をかなり丁寧に描いているのがGOOD。
自分が事件に巻き込まれているという自覚も薄く、次第に犯人に惹かれていく危うい少女の感情。そんな少女に優しく接しながらも、ふとした瞬間に垣間見せる犯人の邪悪な目…頭の中では、主人公が颯爽と現れて事件を見事に解決する(なんてったって超能力者がいるんだから!)ってわかってるんだけど、この二人の微妙な関係に魅せられます。
大滝錬摩の秘密なんかも少しずつ紐解かれているし、宋一郎が微妙に成長していたりとシリーズならではの展開も随所に織り交ぜ、1作目より面白くなった。神田川がキーポイントになってるあたりが良かった。
個人的採点:70点