魔女の盟約 著:大沢在昌【新刊購入】 | 105円読書

魔女の盟約 著:大沢在昌【新刊購入】

魔女の盟約

大沢在昌:著
文芸春秋 ISBN:978-4-16-326610-7
2008年1月発行 定価1,785円(税込)









先月、新刊購入した大沢在昌センセの新刊「魔女の盟約」を読み終わる。2006年の「魔女の笑窪」の続編。

男を完璧に見抜くという特技を生かし、裏稼業専門のコンサルタントだった水原は、自分の生い立ちに関わる大きな事件に関わってしまい、韓国に逃亡中…。事件を通じ知り合った韓国マフィアに匿われていたのだが、地獄島を一緒に破壊した金という男が突如現れ、水原を世話していた韓国マフィアを次々に殺す事態が発生。水原も命を狙われるがなんとか逃げのびる。水原は金を追う、白里という謎の女から接触を受けており、彼女を頼ることになるのだが…事件の裏には、「民族マフィア」と呼ばれる組織のある計画が深く関わっていた!

連作短編形式だった前作とは違い、今度は長編ですね。韓国や中国での逃亡中は…今回の事件の背景にある、マフィア事情だったり、社会情勢を描くのにけっこうページを割いているので、物語的にはイマイチノリが悪かったんだけど、水原が東京に戻ってきたあたりから物語は急加速する。

前作に登場したキャラクターもしっかりと再登場するので、読んでいない人は、まずは「魔女の笑窪」から読んだ方がいいでしょうね。自分の場合、忘れている部分もちょっとあったけど…今回の作品内での説明を読んでいるうちに、だいたいキャラクターの関係図は思い浮かべることができた。ああ、このキャラ覚えてるぞってね。

1作目よりもスケールはでかくなったが、他の大沢作品でも多く描かれるようになってきた、外国人マフィアとヤクザの密接な関係…それに警察や政府がどう対応していくかというインターナショナルな構図。

海外逃亡中はピンチの連続、でも東京に舞い戻ってからは、お上もヤクザも外国人も、全部自分で手玉にとってやろうじゃんという意気込みのパワフルな水原のねーさんはかっこよかったが、キャラクターの魅力なんかは、「魔女の笑窪」の方がよく描けていたかななんて思ってみたり。まだまだ続編いけそうじゃない?






個人的採点:70点