空の境界 the Garden of sinners 上 著:奈須きのこ | 105円読書

空の境界 the Garden of sinners 上 著:奈須きのこ

空の境界 the Garden of sinners 上

奈須 きのこ:著
講談社 ISBN:4-06-182361-2
2004年6月発行 定価1,155円(税込)









アニメ映画化もされ、それに合わせた文庫化も発売。自分はかなり前に100円コーナーで新書版を入手してたんですけど、1冊の分厚さと上下巻組というのがネックになって積読状態だった。映画のヒットという話題に便乗しようと思って読み始めました。同人誌とかゲームとかあんま詳しくないので、純粋に一つのミステリーものとして読み始めたんだけど…。

ある事故に巻き込まれ昏睡状態に陥っていた少女・両儀式が、二年ぶりに目覚めた。その彼女が記憶喪失と引き換えに手に入れた、“直死の魔眼”。この異能の力を駆使し、様々な怪異と対峙するようになるのだが…。

元が同人小説という出版経緯にしては悪くはないし、その筋の人たちから絶賛されるだけあり、講談社ノベルスという一般新書じゃなければ、手頃なライノベ作品として、下手なベストセラー作家よりも文章は魅力的。ただ…夜更かししてまで一気読みしたい?と問われると自分には微妙な内容。

時間軸がバラバラで行ったり来たりするので、読み始めはかなりとっつきにくかった。物語は章立てになっており、一見バラバラの独立したエピソードのようにもみえるが、たぶん…みんな結末への伏線なんだろうなぁな曖昧さが残る。というか、各章の核になる話だったり、ミステリー的なトリックやオチだったり(特に5章のマンションの話とか)で、上手な作家だったら1本のミステリーを書けちゃうような~って感じのぜいたくな物足りなさとでもいうのがベターか?

ネット書店などのレビューによる評判も高いし、アニメ映画化されるくらいだから、どんな凄い大作なのかと思っていたんだけど…インパクトはイマイチ。まぁ、下巻を読まなきゃ…作品としての評価は難しいかな?とりあえず、上巻だけでの暫定的な評価としてはこんなもんか?ということで、ファンの皆さんには怒られそうだけど点数は低めに。とりあえずは下巻での巻き返しに期待ということで…。

でも、ネットで予告篇を見たアニメ映画は純粋に絵が綺麗だから見てみたいよ(笑)






個人的採点:65点