ツギハギ姫と波乗り王子 著:桜井亜美
ツギハギ姫と波乗り王子
桜井亜美:著
幻冬舎 ISBN:978-4-344-01279-0
2007年1月発行 定価1,365円(税込)
作品がメチャクチャ好きってほどでもないんだけど、毎回、蜷川実花が担当するセンスの良い表紙…可愛いおねーちゃんの表紙につられて、100円で見つけると買ってしまう桜井亜美の恋愛小説。
自分をさらけ出すのが苦手な杏、アキバのメイド喫茶、児童相手の絵画教室、経理事務とバイトを掛け持ちし、いろいろな顔を持っているが、一番幸せなのは、一人で大好きな漫画やアニメのことを想像しながら絵を描くこと。そんな杏が嵐の夜に出会った爽やかなサーファーの陸。その陸が、経理事務の仕事をしている職場へバイトとしてやってきた…。
湘南に住んでるので、身近な場所が舞台になっていて、けっこう想像しやすかったり。有名なラブホテルも実名で登場(笑)実は、自分は作中に出てきたラブホに思い出がありまして…別に利用したわけじゃないんだけど、中学校の時の教師の実家が工務店を経営していて、その教師が学生時代にアルバイトで、そのラブホの建築だか改装だかに関わったというのを、学校の授業中に聞いたことをいつも思い出すんですよ。たぶん、地元の人がこの文章を読んだら…「あの先生?」ってわかっちゃうかもなぁ。そう、回転ベッドが楽しくて、グルグルまわしちゃったと生徒に自慢していたK先生です!(笑)人づてに、今ではかなり偉くなっていると聞いたことあるけど、昔は、授業中に生徒にラブホの話をしてたんですよ。
とまぁ、この話を続けると何かと問題になるといけないので、本の話に戻りますね…過去を引きずるオタク系女とサーファーの湘南を舞台にした切ないお話。恋愛なんて、自分も相手も傷つくから大嫌い…でも1回だけならSEXはしてもいいよんっていうクールな女の子が、久々に本気で男に惚れたけど、やっぱ駄目だ~ってお話。男にはクールにみえるけど、実は過去に暗い過去があってね~って感じで、いったいこの二人の恋は成就するのでしょうか?という展開へ…。
くっついたり、離れたり、男が浮気し、それを心配し発狂しそうになっちゃったり…それを現実逃避で抑えようと必死でもがく主人公。顔の知らないネットの知り合いに、しばし依存し、助けられたりね。はて、この見知らぬ相手は誰なのかな?というミステリアスな展開も…大方の予想通りで、何のひねりもなく、さらに劇的な展開もなく、ちょっと不発気味。
個人的には、ラストの展開だけは予想に反してくれたので、良かったです。やすっぽいTVドラマのような予想通りなラストだったら、きっと本をぶん投げていたかもね~。
と、いつも桜井亜美を読むとかなり辛口なのに、懲りずに100円コーナーで本を買ってしまう、不思議ですね。いつもミステリとライノベばかりだから、たまにはこういうのも読みたくなるんだよ。
個人的採点:60点