大鬼神 平成陰陽師 国防指令 著:倉阪鬼一郎
大鬼神 平成陰陽師 国防指令
倉阪鬼一郎:著
祥伝社 ISBN:4-396-20777-8
2004年5月発行 定価880円(税込)
ホラーとか推理小説で大好きな作家・倉阪鬼一郎だけど…この作品は初の本格伝奇作品ということ。
宮内庁に極秘に属し、霊的国防を司る現代の陰陽師・中橋空斎の卦に“来年、この国に変事が出来…かつてない禍が起きる!”という未曾有の大凶が!秘録を読み解き、なんとか防衛策を講じようとしていたのだが…。一方、空斎の友人でホラー作家の神山慎之輔は、丹後で出土した亀の甲羅の謎を追っていた。
一時期流行った「陰陽師」ものとか、あまり興味はなかったのでね、陰陽道などの専門用語とか、漢字も難しいし(笑)、理解するのに四苦八苦。この間読んでいた「屍の王」よりもさらに、古典文学の知識が試されるところがあるね。劇中登場する作家が、有名な伝説・伝承について何度となく突拍子もない仮説を唱えるくだりなどは、ネタを知っている人ほど楽しめるのだろうが…。さらには物理まで…うーん、難しい。
中盤あたりから、猟奇殺人の謎を推理で解くなど著者が描き続けているミステリーもの、ゴーストハンターシリーズみたいな展開もあり(だったら、普通にゴーストハンターシリーズで書いた方が、面白かったかもね)、怒涛のクライマックス、大団円は特撮ワールドですか?(笑)
ガメラと大魔神とゴジラとさくや妖怪伝に陰陽師を加えた展開だねぇ(笑)ぜひ、樋口真嗣の特撮映像で映像化して欲しいなぁ~。作中のキーマンである相撲取役には朝青龍あたりを抜擢してさ(笑)
そんなことで、前半はちょっと自分はつまづきましたが、後半はかなりばかばかしくて笑える展開へと…。終わってみれば、やっぱり倉阪節絶好調の大虐殺ものでした(笑)
個人的採点:60点