マージナル 著:神崎紫電 | 105円読書

マージナル 著:神崎紫電

マージナル 

神崎紫電:著
小学館 ISBN:978-4-09-451003-4
2007年5月発行 定価600円(税込)









新年1発目はライノベ…けっこう表紙買いしてしまったようなライノベが貯まっているので、今年は率先してライノベもたくさん攻めていこうかなって思ってます。無名の新人作家さんとかでも、エンタメのツボをけっこう抑えていて、侮れない作品がいっぱいあるし。これもそんな一つだった…殺人やら拷問やらアンダーグランドな趣味嗜好を持つ高校生がネットでバラバラ連続殺人の犯人である殺人鬼とバッタリと出会ったことから命を狙われる羽目になり、犯人探しするというサイコサスペンス。

殺人や拷問などの愛好家が集うアンダーグラウンドサイトの管理人で、高校生の摩弥京也は、ネット上で巷を騒がす連続殺人鬼と出会ってしまった。その犯人から、犯行現場の写真を見せられたのだが、なんとその相手が自分のクラスメイト・南雲小百合であることが判明。その結果、今度は京也が命を狙われることに。犯人の手掛かりを捜すために小百合の葬儀に出席した京也は、そこで小百合そっくりの妹・南雲御笠と出会う。彼女を利用して犯人と対決しようと接触を試みるのだが…。

イラストと余分な萌え要素、くだらないギャグなどいかにもライノベな部分さえ省けば、充分、角川のホラー文庫でも通じるのではないかと思ってしまうほどの、変態的なサイコサスペンス。変態を隠し、普段はやたらとクールを気取る主人公が、女の子に近づくために無理してギャグとか言っちゃったりするのが…なんかわざとらしい。ぶっちゃけ…「デスノート」とかコミックの影響もあるのかな?って思う部分もあるけど、非現実的な展開はないのでOK。

エスカレートする猟奇事件、どんでん返しな真相としっかりとミステリーしている物語に加え、主人公もギリギリ変態入ってるので、間違ってコイツがヒロインとか殺しちゃうんじゃないの?みたいな危うさがさらに緊張感を高めてくれる。

主人公が犯人探しをする手段として、ネットを活用。アンダーグラウンドサイトの仲間に情報提供を願って、そこから簡単に事件に肉迫してしまうというのが、ちょっと物足。もう少し、自力でなんとかしてほしいと思ってしまうのだが、作品のオチなどもこの辺に関わってくうるので、仕方がないのか…。


ライノベの山の中に埋もれさせておくのはちと勿体ないかな?新人の作家さんだそうだが…ぜひ、このテーマでどんどん作品を発表して欲しいもんだ。ただ、ライノベだからって、安易にシリーズ化しないでね!






個人的採点:65点