女囮捜査官 五感推理シリーズ②視覚 著:山田正紀 | 105円読書

女囮捜査官 五感推理シリーズ②視覚 著:山田正紀

女囮捜査官 
五感推理シリーズ②視覚
 

著:山田正紀
幻冬舎 ISBN:4-87728-610-1
1998年6月発行 定価630円(税込)








この間から読み始めた、山田正紀の女囮捜査官シリーズ全5部作の2作目を読み終わる。首都高速でのバラバラ殺人という、1巻目以上にトリッキーなテーマが初っ端から提示され、とにかく面白い推理小説に仕上がっている。

首都高速5号線で、トラック事故による大惨事が発生…その現場で、白髪の男が倒れており、傍らには女の右足だけが一緒に転がっていた…。現場に到着した救急隊員がとりあえず男と、その足を救急車に乗せ病院へ搬送することになったのだが…突如、患者を乗せた救急車が不審な行動をとり、その後、警官に発見された時には中身は空っぽになっていた。いったい救急隊員と患者…そして発見された右足はどこへ?その翌日、首都高速の各所で、バラバラに切断された人間の死体が発見される!

首都高速で、死傷者を出す程のトレーラー事故を発端に、さらにバラバラ連続殺人。人死に過ぎだって(笑)こんな事件に…女囮捜査官の志穂がどうやって絡んでくるのかなって思ったら、被害者が知り合いだったという流れだ。

で、その流れで…今回の志穂ちゃんの任務は、銀座のクラブへホステスになりすまして潜入!って…言葉だけで書くと、二時間ドラマみたいな安っぽい展開だけど、そこはしっかりと山田正紀センセイの文章力や巧みな設定でしっかりとカバー。1作目を読んでるから、すんなりとそういうとこも受け入れられます。

前回が痴漢で、今回はSMがテーマ…ああ、だからサブタイトルが“視覚”なのかと納得。卑猥さもちょっぴり増し、それ以上に事件自体が奇抜になり、サービス満点の読み応え。

事件解決の突破口の一つとなる、どうやって死体を捨てたのか?あたりは巻頭に載ってる首都高の地図と見比べ、自分の土地勘と示し合わせて、ようやく理解できるような感じでちと大変だったけど、よく練られていて面白いと思う。志穂の何気ない前半の行動とかが、ちゃっかり事件の真相解明への伏線になってるあたりも、あとから考えると手ぬかりなしで上手いなぁって思った。

さぁ、今度は3巻目に突入だ!このまま一気にシリーズを読破します。






個人的採点:70点