魔物 下 著:大沢在昌【新刊購入】 | 105円読書

魔物 下 著:大沢在昌【新刊購入】

魔物 下

大沢在昌
角川書店 ISBN:978-4-04-873768-5
2007年11月発行 定価1,680円(税込)









上巻に続き、新刊購入の「魔物」の下巻を読了。やはり、上巻を読んでいた時に想像していた通り、主人公の大塚が過去と対峙するような展開になってきたよ…。

一連の事件をロシアからやってきた魔物“カシアン”の仕業だと確信した麻薬取締官の大塚は、今現在、“カシアン”取り憑いていると目される暴力団幹部の高森を追い…事件を通じて知り合い、捜査に協力してくれるロシア人ホステスのジャンナと共に…東京へ向かう!

カシアンが取り憑いた犯人たちの、壮絶な犯行とそれに立ち向かう、マトリの大塚をはじめ、刑事、ヤクザたちとのかけ引きの様子に、読んでいる最中はドキドキさせられ面白いし、どういう落し前をつけるのかという期待が膨らむのだけど…ラストが想像していたよりも、ちとインパクトが弱かったかなぁ~って感じ。

もっとオカルトっぽくしちゃってもいいと思うんだけど…せっかく神父さんも登場するんだから、「エクソシスト」ばりに悪魔払いの描写とか、もっと本格的に入れても良かったと思うよ。魔物とかの設定を入れたわりに…普通の犯罪小説っぽさから抜けきっていないのが、ちょっと物足りないっすねぇ。ズバ抜けた新鮮味はなかったけど、エンターテイメントとしてはもちろん及第点をクリアしている。

決してつまらないわけではないのだが、この内容で、上下巻(下巻は上巻よりも30ページくらい少ないし)…3200円もの大枚を払わせる、角川書店にちょっと文句を言いたくなる。ページ数を増し、1冊にまとめればもうちょっと書籍代を安くすることができるんじゃないの?同時発売なのに分冊にする必要性を感じませんね。100円本に慣れている身分の人間としては、あまり偉そうなことは言えないんだけど…やっぱ本って高いなぁって思ってしまった。決して在昌センセの作品に文句を言ってるわけじゃないっすよ…角川の本の売り方が悪いってことだよ。






個人的採点:70点