魔物 上 著:大沢在昌【新刊購入】 | 105円読書

魔物 上 著:大沢在昌【新刊購入】

魔物 上

大沢在昌:著
角川書店 ISBN:978-4-04-873767-8
2007年11月発行 定価1,680円(税込)









1冊1600円もするハードカバーで上下巻組3200円と、バカ高いけど、久々新刊本で買って読んでます、大沢在昌。「魔物」というタイトルから想像できる通り、大沢作品には珍しくオカルティックな展開のアクションミステリー。

処分されるはずだった、魔物が封じ込められているイコンを持って、ロシアマフィアの殺し屋ロックマンが…北海道に上陸。厚生省の麻薬捜査官、大塚は…件のロックマンと地元ヤクザが薬物の取引をするという情報を入手するが、同じヤマを北海道警察も追っていた…。

過去にも「暗黒旅人」、「悪夢狩り」なんて作品があるので、新境地ってわけでもないんだろうけど…単純なハードボイルドや警察ものとはちょっと違う感じ。ただ、事件の全貌が見えてくる前、この上巻の3分の2くらいは…普通に麻薬取締官、通称マトリが…ロシアマフィアとヤクザの取引を追いかけるが、実は警察も追いかけてて縄張り争いが~って話です。

で、とり逃がしちゃったロシアマフィアの殺し屋が、神出鬼没で、なんだか怪しげな行動しとるがなぁというところから…「悪魔を憐れむ歌」みたいなオカルティックな話に徐々になっていくって感じ。というよりは、TVドラマ版の「あぶない刑事」の最終回みたいだね、ちょっと(笑)撃っても、撃っても…ロシアマフィアが死なないがなぁ。お前はゾンビか!?ってね…。

ようやく、主人公やその周りの人間たちが…ロシアの化け物の存在を意識し始めてきた所で、上巻は終わり。魔物がね、次々に悪人に乗り移るらしいから…上巻しか読んでいない現段階では、想像の域でしかないけど、最終的にはたぶん、主人公のマトリ捜査官の大塚が背負っている過去の因縁話あたりが、クローズアップされてくるのではないかと?

オカルト的な題材で、宗教的な思想なんかも頻繁に出てくるんだけれども、今のところは、まだまだ地に足の着いたような展開の方が多い。ここから一気にそっち系の話になっていくのか?それとも下巻も…似たような展開なのか?

情報を得るために接触したロシア人ホステスが、なかなかいい女(笑)脇役かと思ったらだんだん、重要なキャラになってきた。こういう、ツボをついたヒロインが、やっぱり大沢作品の魅力だよなぁ。下巻での活躍に期待してます。

結末まで読まなきゃ総合的な判断は、まだまだできないけど…適度なアクションなども楽しめるので、上巻の評価はこのくらいにしておきましょうかね…ズバリ、どん!?






個人的採点:70点