嘘つきは妹にしておく 著:清水マリコ
嘘つきは妹にしておく
清水マリコ:著
メディアファクトリー ISBN:4-8401-0886-2
2003年10月発行 定価609円(税込)
MF文庫、ライノベです。小説ではなく、担当イラストレーターさんの事が、何かの雑誌に紹介されていて、ちょっと気になっていた作品。同レーベルから出ているこの作者のライノベを何冊か入手できたので、1番目のヤツをとりあえず読んでみた。
ある日突然、ほとんどのページが真っ白な何も書かれていないおかしな本を手にしてしまったヨシユキ、彼の前に“本の妖精”を名乗る不思議な少女が現れ、バラバラになった物語のシナリオを探してほしいと懇願される。とりあえず話を信じてみたヨシユキはその少女に“みど”とい名前を付け、建前上、妹ということにして一緒に行動するようになるのだが…果たして失われたシナリオは見つかるのか?そして、みどの正体とは?
現代の日常が舞台のファンタジー。突然、現れた少女が人間ではなくて妖精で、周りには主人公の妹と名乗って付きまとうっていう…設定だけは、いかにも妹萌えなオタクさんが好みそうなヘンテコなものなんだけど…思ったほど、萌え萌え要素もなく、ファンタジーとして手堅く読める。
ただ、劇中に出てくる本のシナリオってヤツが、原作者の主催だか、所属している劇団で本当に上演された物語のシナリオを利用しているらしいんだけどさ、興味がある方は調べてください~ってあとがきで書いてある程度で、なんか断片的にしか描かれていないのが物足りない。
作中作として、その物語もちゃんと読ませつつ、同時に本筋も進行していき、現実と虚構が入り乱れるような、トリップ感が味わえるような作品だったらもっと面白かっただろうに、せっかくのアイデアがもったいないなぁって思った。なんか、サクサクとさっぱり読めちゃう物語だったね。ライノベなんで、このくらいさっぱりした方が好まれるのかもしれないけど…。
個人的採点:65点