テロリストが夢見た桜 著:大石直紀 | 105円読書

テロリストが夢見た桜 著:大石直紀

テロリストが夢見た桜 

大石 直紀:著
小学館 ISBN:4-09-387474-3
2003年11月発行 定価1,785円(税込)









アラブのテロリストが新幹線ジャック?警察&JR関係者と犯人側の息詰まる攻防…。湾岸戦争や9.11テロから世界平和なんてものも語りながら、一気に読ませるパニックサスペンス。「新幹線大爆破」と「ホワイトアウト」を足したような作品か?自分は今回ハードカバー版を入手し、読んだのですが、すでに文庫版も出ているようです。

博多発東京行の新幹線がテロリストを名乗る犯人にジャックされた…犯人側の要求は、仲間の釈放と、その釈放を願う仲間と来日中のパウエル米国務長官の会談…そして現金100万ドル。事件の早期解決を望む警察側は…強行突入も検討するが…。

犯人側やテロリストの生い立ちを詳しく語るので、自然とテロや戦争の話も多くなるが…本筋のテンポが鈍ることなく一気に読ませる。ただ、犯人のもくろみなど、真相が小ぶりなのでやや拍子ぬけ。無理に感動を誘うような、お涙頂戴な展開にやや不満。

国鉄の民営化、JR発足時の組合問題などが描かれているのは、ちょっと懐かしい。自分がまだ小学生の子供のころ、うちの亡くなった父親も、こういう騒動の渦中にいたのでね、なんとなくわかります。9.11テロの話よりも身近な話題であった。きっと郵便局の民営化も…苦しい思いをした人がいっぱいいたんだろうなぁと、ちょっと思ってみたりね(笑)

文庫版 テロリストが夢見た桜  小学館 2006年04月 定価670円(税込)






個人的採点:65点